死んで初めて知る妻の愛。その愛を疑った自分が情けなかったことでしょう。

そして疑うことも想定してまで自分を生かそうとする篠。自分はその妻の想いと釣り合う程の幸せを与えてあげられただろうか。

感謝と後悔、そして篠への更なる愛が混在した感情が新兵衛を襲ったことは間違いありません。

真実を知ったことにより、篠を失った悲しみはより大きくなったと推測されます。

篠の願いを采女はどう受け止めたか

【メーカー特典あり】散り椿 Blu-ray(2枚組)(先着購入者特典:特製クリアファイル(A4)付)

片や采女も、自分の思いは篠にあり、篠も実は自分を今でも想い続けていてくれる、と信じて生きてきました。

采女に託された願い

篠は新兵衛にだけ願いを託したように見えますが、実は采女にも託していたのではないでしょうか。

采女は「新兵衛様を生きさせて」という篠からの願いを感じ取ったはず。

つまり「采女様を助けて」というメッセージは、「新兵衛様を助けて」と同じ意味を持っていたのです。

采女なら新兵衛の誤解を解き、篠の本心を伝えてくれると知っていたと考えていいでしょう。

一度は将来を誓い合った者同士なのですから。そんな信頼関係に篠と采女はあったのではないでしょうか。

生きて欲しいの意味

模造刀 木製 日輪刀 冨岡義勇 鬼滅の刃 きめつのやいば 鬼殺隊 コスプレ インテリア飾り 日本刀 刀 剣 武器 S333N

生きるとはただ呼吸をしている状態を指しているのではありません。新兵衛が生きるということは、武士として生きること

そのためには8年前の疑惑を拭う必要があると篠は考えたのかもしれません。

そして采女も同様の答えを導き出した可能性があります。

平蔵の暗殺やその後ろで起こっていた不正を解き明かすことで新兵衛の疑惑が晴れる

そんな想いもあって、命を懸けて事実を暴いたのでしょう。

新兵衛の名誉も挽回され、采女は篠から間接的に託された願いを叶えたのです。

全ては篠のため。采女は最後まで篠を愛していたのです。

里美の恋心と別れ

映画チラシ 散り椿 岡田准一 2018「散り椿」製作委員会

お家騒動も一件落着し、それぞれに新しい暮らしがやってくることになりました。ここで映画はさらなる悲恋を追加します。

新兵衛は里美の切ないまでの引き止めを振り切りまた流浪の旅に出ていってしまいました。

自分は篠に殉じて散った椿。今は自分に添うたばかりに苦労の中あたら若い命を落とした篠もまた”散り椿”。

新兵衛の心の中にはその地に落ちた花弁を見つめる旅の中にしか篠に言われた「生きて」という言葉を実現出来なかったのです。

それが不器用な新兵衛なりの篠への愛情の示し方でした。

文庫本で400ページになる原作を小泉堯史はよく纏めたという印象を与えます。

采女の割とあっけない死とか、短くしたことで「物語の綾」が薄くなり、物語が平板に抑えすぎになっている。

またエンドロールの自筆の名前はいかがなものか、という難点を指摘する声もあります。