オーガストと仲良くしたために陰口を言われるサマーなど皆にそれぞれの闘いがある。
それはジュリアンもそうで、新しい学校での闘いが待っている。
自分だけが辛い境遇だと思っていたオーガストも学校生活を通してそうでないことを知ります。
苦しみや悲しみは皆にあるのだから人には優しくしなければならない。
そして相手を理解するには自分がそうされたように相手をそのままよく見ること。
オーガストが経験したことがこの最後の台詞に集約されています。
「ワンダー」が示す変化
タイトルである「ワンダー」とは作中でどういった意味をもっていたのでしょうか。
オーガストの変化
ワンダーとは「驚き」「驚かせる」「驚かせる」「不可思議なこと」といった意味です。
オーガストはヘルメットを被ることでずっと世界から自分を遮断していました。
その彼が学校に通い、友人を作り、最優秀生徒に選ばれる。
まさに驚くべきことです。
オーガスト自身が一番自分にできると信じられなかったことを成し遂げた。
彼自身の変化という意味がタイトルに込められています。
周囲の変化
オーガストの与えた周囲への大きな変化。
特にクラスメイトがそうで、課外授業でオーガストは仲間と共にいじめてきた子どもたちと戦いました。
ジュリアンが中心だったクラスの雰囲気をオーガストが変えた。
同時に、それはオーガストのような子がいなかった学校の在り方そのものを変えました。
たった一人の子どもが大きな変化をもたらした驚き。
奇蹟のような出来事はタイトルの意味に合致します。
その他の意味
オーガストの顔を見て「驚く」クラスメイトたち。
自分の人生が思いもよらない方向に向かうジュリアンの「驚き」。
恋人ができ、舞台に出演することになったオリヴィアの「驚き」。
オーガスト以外にもこの映画には様々なワンダーが描かれています。
驚きは良いことばかりではなくて、悪い驚きもある。
それぞれが受け入れ向き合っていくべきものだということが伝えられています。
まとめ
辛い境遇ながらもそれをどこか冷めた目で見ているオーガスト。
ただ周囲がオーガストを労わるだけでなく彼自身が周囲と向かい合うことが状況を動かしました。
オーガストと関わることは覚悟が必要なこと。
この映画はただ理想だけを描くのではなく、関りを持った故の葛藤も描かれています。
だけど覚悟を決めて進んだで見た先にはワンダーが広がっている。
自分自身の人との関り方を訴えてきます。