関わった人を大切にするという、ジェームズ・ガンのポリシーを感じる話ですね。
例えば、ラヴェジャーズの一等航海士兼船長補佐であるクラグリン・オブフォンテリ役にはジェームズ・ガンの弟であるショーン・ガンが起用されています。
また、古巣であるトロマ・エンターテインメントの設立者、ロイド・カウフマンが囚人役でカメオ出演していたことも話題を呼びました。
トロマ・エンターテインメントを離れてもロイド・カウフマンと交友関係があるあたり、ジェームズ・ガンがいかに仲間思いであるかが伺えますね。
演出へのこだわり
宇宙をテーマにした「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」を制作するにあたり、ジェームズ・ガンは独自の手法を用い、個性的な世界観を作り出しました。
ダイナミックに予算を使った世界観構築には脱帽してしまいます。
古風な演出方法で生みだされた世界観
CG全盛の現代ですが、ジェームズ・ガンはCGと共に、多額の予算で製作したセットでの撮影にもこだわりました。
これはジェームズ・ガンが、1950年代や60年代のパルプフィクションに大きなインスピレーションを受けていることが要因です。
セットで作られた昔のパルプ誌で描かれたような世界観と、最新のCG技術を上手くミックスすることで、「コミカルなSF作品」の世界観を最大限に表現しています。
衣装担当にも抜け目なし
衣装にも強いこだわりがある「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」。
ジェームズ・ガンが作り出す世界観に馴染みつつ、存在感のある衣装の制作には、オスカー受賞者である高名な衣裳デザイナー、アレクサンドラ・バーンが起用されました。
彼女はジェームズ・ガンの出した難しいオーダーに完璧に答え、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の魅力を乗算的に引き出しています
音楽へのこだわり
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の世界観構成で最も話題になったのが、従来のSF映画の定石を大きく逸した音楽へのこだわりです。
音という人の感動を繊細に動かす要素で、ジェームズ・ガンは自身の持つ個性を爆発させています。
過激シーンとヒットソングの対比
ジェームズ・ガンは作中のBGMに、70年代のヒット曲を起用しました。
SF映画のBGMといえばジョン・ウィリアムスがスター・ウォーズで魅せたような、ホーンセクションが生かされた壮大なオーケストレーションが思い浮かぶでしょう。
しかし、ジェームズ・ガンは宇宙をテーマにしたSFで、あえて地球のポップソングを流したのです。
しかも、凄惨なシーンや過激なシーンでも一貫して、むしろそういった部分を狙ったかのように流しています。
このような音楽の意外過ぎる使用方法により、シリアスなシーンでもユーモアを感じられ、今作が持つ「らしくない」部分を見事に表現しているのです。