彼女は元々キャバクラのママから相談された不動産屋に勤めていた一人のOLでした。
純平の危なっかしいながらも純粋な心に興味を持ちましたが、でも順番があべこべです。
最初は友達から始まり、話していく内に気が合って恋仲になり、そして肉体関係を結びます。
純平と加奈はその順序を逆に辿っているために肉体関係は結ぶけど情の繋がりはやや希薄です。
純平にとって加奈との付き合いは本気ではなく功績を立てる前の気休めだったのでしょう。
恋人よりも仕事の功績、これがもう純平の中で揺るがない優先順位だったのです。
SNSを用いた真意
本作では加奈が純平に興味を持ち、本人に秘密で彼の行動をSNSに投稿していました。
しかし、あることがきっかけで彼女の投稿はどんどんネット上の人達を巻き込んでいきます。
そこまでして彼女が成し遂げたかったのは何でしょうか?
怪我の功名
加奈がSNSを用いて人々の心を動かすことになったきっかけは純平との喧嘩でした。
彼女は純平の思いの強さを知っているはずなのに彼の神経を逆撫でします。
鉄砲玉になんかならずに逃げればいい
引用:純平、考え直せ/配給会社:アークエンタテインメント
この口論がきっかけで彼女は思わず純平の本名という個人情報をバラしてしまうのです。
純平がこれを知ったら加奈は個人情報保護などで訴えられてもおかしくありません。
しかし、そうした行為のお陰でネット上で「純平、考え直せ」の動きが起こりました。
正に怪我の功名という他はありません。
外の世界を知る
加奈がSNSで人々の心を動かした真意の一つは純平にヤクザ以外の世界を知って欲しかったからです。
ここは原作同様加奈はもっと他に広い世界があり、一つの世界で終わって欲しくないというのがあります。
またそれは同時に加奈が純平をはじめ人との繋がりをより広く多く持ちたい人も意味するのです。
ましてや不動産屋で色々な世界の人を相手にしていれば、自然とそのように考えるでしょう。
逆にいうと加奈はあくまでも純平にとって「外」の世界の人間ということになるのですが…。
純平と歩む未来
ここが原作との違う所ですが、映画ではもう一つ純平と共に未来を歩みたいという動機が生まれます。
純平と肉体関係を結んで一緒に行動していく内にその純なる想いに惹かれていたのでしょう。
ですが、二人が歩んでいるのは決して真っ当な男女の愛ではなく刹那の破滅的な恋でしかありません。
死と隣り合わせの世界で身を焦がすように生きている二人がまともな道を歩むことは不可能です。
そしてそれが二人の結末を非情に悲しいものとしてしまうのです。
2人のその後
純平と加奈はその破滅的な生き様の後にどのような結末を迎えたのでしょうか?
決して重なることがなかった二人のその後を追っていきましょう。
一人前になれず終わった純平
結末からいえば、純平は幹部に撃たれ一人前になることなく終わりました。
ここで引っかかるのは純平が撃たれる前に一人のゲイ男の次の発言です。
だって今有名よ、“歌舞伎町の純平”って
引用:純平、考え直せ/配給会社:アークエンタテインメント
ここで純平は一人前になったと感慨に耽りますが、本当にそうでしょうか?
ゲイ男が純平のことを知ったのは加奈がSNSで投稿したからと考えられます。