ヘドラの行く末が人類の都合のいい道具になる可能性も決して0ではないのです。
新たな公害で進化する可能性
対策がしやすくなったとしても、ヘドラは人知を超えた怪獣です。
そのため、想像を超える進化をする可能性もあります。
公害問題は日本だけの話ではありません。
もしもヘドラがどこかに潜み続け、時代が流れた場合。
後の時代で発生したダイオキシンなどを吸収して以前より強大なヘドラになります。
その頃には、今度は世界の発展する国をヘドラが襲う。
そして世界規模の被害が出る。
人類の進歩とそれによって生み出される公害は比例する。
人口が増え続け、環境汚染が進んだ時代。
新たなヘドラはそれを餌に現れ再び人類を恐怖に陥れます。
果たして、より強大なヘドラに人類が対抗できるかは誰にもわかりません。
ゴジラが人々を睨みつけた理由
ヘドラを倒し立ち去る時に人類を睨みつけるゴジラ。何を思っていたのでしょうか。
自分のために戦ったゴジラ
しかし、本作でゴジラがヘドラと戦ったのは自分のためです。
全生命体の脅威であるヘドラはゴジラにとってもいてはならない存在。
だからゴジラは戦った。
ゴジラの最後の睨み。
その瞳には「お前たちのために戦ったわけではない」という意思が込められています。
人類への怒り
矢野研少年の夢という形でゴジラが海を汚すゴミに火炎を発射する場面があります。
これはゴジラが公害を憎んでいることを表しています。
ゴジラにとってはヘドラだけが敵ではありません。
公害でヘドラを生み、公害自体を生んだ存在。
そして核実験で自分を生み出した存在。
ゴジラにとって人類もまた敵なのです。
ゴジラの最後の睨みには「お前たち、もっとしっかりしろ」というゴジラの怒りを感じられます。
ヘドラという悪魔
本作の敵役・ヘドラ。カルト的な人気を誇るヘドラとはどんな怪獣でしょうか。
時代の負の面・公害
今作の公開時、日本は公害問題に揺れていました。
四日市ぜんそく、光化学スモッグの発生、田子の浦ヘドロ公害。
1970年に大阪で万国博覧会が開催。
その終了を合図にするように、科学の負の面が日本を襲います。
そのような時事性を取り込み生まれた怪獣こそヘドラ。
初代ゴジラは製作当時問題になっていた核実験の時事性を取り込み生まれました。