出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B07QY1H7B6/?tag=cinema-notes-22
同じ夢を何度も繰り返し見たり、何度も同じところを堂々巡りして目的地にたどり着けない夢を見たりしますか?
この映画を観終わった後は、そんな夢をみていたような感覚に陥ります。
この作品は映画史上超難解な内容と評されていて、映画評論家の間でもこの映画に対する解釈はさまざまなのです。
「去年マリエンバートで」は、1961年公開のフランスとイタリアの合作モノクロ映画
監督:アラン・レネ、脚本:アラン・ロブ=グリエ、 主演:デルフィーヌ・セイリグ
1961年、ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞受賞
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/去年マリエンバートで
2018年10月にココ・シャネルの完全バックアップで4Kデジタル・リマスター版が公開され、再度注目をされた映画です。
初公開当時は映画の衣装をココ・シャネルが担当したことで有名になりました。
マリエンバートとは?
「マリエンバート」はドイツ語でチェコ西部のボヘミア地方西部の温泉町で温泉保養地として有名な場所です。
この映画の主要な人物は3人で女性が1人で男性が2人ですが、3人の名前は一切出てきません。
仮に女性をAとして女性の夫らしき男性をM、女性に延々と話しかける謎の男性をXとしましょう。
無表情な人々と無意味な会話
正装をした男女が観劇をしたりダンスを踊ったりしますが、凝視した目線と無表情な顔に意味のない会話と唐突な笑い声は一見奇妙です。
しかし、日常を振り返ってみると人は皆自分以外には興味もなく、他人の表情などには無関心で自分達の会話以外はみな無意味なものです。
時空の描写に関する要素
XはAに去年マリエンバートで知り合い、1年後に同じ場所同じ時間に再会し駆け落ちをすると約束をしたと話しかけました。
そんな約束をした覚えがないとAは否定をすることから話がはじまります。
空間とカメラワークの効果
主要3人の記憶や回想が古いバロック調のホテルという狭い範囲で交差し繰り返されます。まるで人の脳神経回路のようです。
例えばXはAに思い出させようと、その時の状況や彼女の着ていた服などの情報を繰り返し話しても、Aは別のことを思い出している。