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映画「21ジャンプストリート」は2012年公開のコメディ系刑事ドラマ作品です。

クリストファー・ミラー&フィル・ロード監督の旗振りの元、痛快娯楽作として作られました。

原作が1987年のTVシリーズということもありジョニー・デップがカメオ出演したことでも有名です。

またブリー・ラーソンもモリー役として出演しており、作品のいいアクセントになっています。

あらすじは2人の同級生、シュミットとジェンコがある高校への潜入捜査を命じられるという内容。

演じるジョナ・ヒルとチャニング・テイタムの掛け合いが非常に絶妙な作品の味になっています。

本稿ではそんな二人が劇中で繰り広げていくすれ違いについてネタバレ込みで考察していきましょう。

また、最後に潜入捜査を依頼した意図、そして二人の数少ない接点などにも触れていきます。

陰キャと陽キャ

陽キャが陰キャの隣に引っ越してきた件2 (zuiver)

本作をじっくり考察していくと、シュミットとジェンコがいわゆる陰キャと陽キャであると気付きます。

今でこそ若者言葉として定着した陰キャと陽キャですが、大元はこのスクールカーストにあるでしょう。

勉強は出来ないが熱血スポーツ少年と勉強は出来るもののスポーツがてんでダメなオタク。

そんな正反対の二人がもしまた同級生として高校生活を過ごしてみたら果たしてどうなるでしょうか?

学校生活をもう一度やり直したい気持ちを双方の立場逆転で表現しているのが質の高い笑いを生んでいます。

そしてそれが二人のすれ違いを生み出す最大の原因にもなっているのです。

ジェンコとシュミットのすれ違い

すれ違い (光文社文庫)

本作最大の見所は高校への潜入捜査ですれ違いをしてしまうジェンコとシュミットです。

青少年犯罪撲滅の為が目的だったとはいえ、全く違うグループへ所属することになってしまいました。

結果二人はすれ違いの末の仲たがしますが、何故そうなったのかを考察していきましょう。

自分の誇りを傷つけられた

左腕の誇り―江夏豊自伝 (新潮文庫)

最初に挙げられるのはオタクだったシュミットが時代の変化によってモテ始めたことです。

この辺りは2012年当時草食系男子が人気だったという時代性を反映したこともあるでしょう。

でもそれはジェンコにとって自分の学生時代の誇りを意図しない形で傷付けられたことになります。

かつシュミットがそれを平気な顔で行い何の罪悪感もなかったのも大きな問題だったのでしょう。

ここでシュミットがもう少し複雑なジェンコの心境を汲んであげられたらまた結果は違ってた筈です。

ジェンコにとっては自分の長所にして誇りだったものを相棒に土足で踏み込まれたのはかなり痛いでしょう。

シュミットの増長

そうやってモテ始めた結果シュミットは有頂天になり、増長して学園生活に浮かれてしまいます。

挙句の果て対等な相棒だったジェンコを急に格下扱いして見下すようないじりまで始めました。

自分の誇りを傷つけた上に今度はマウントを取ってきたとなれば誰もいい気はしないでしょう。

なまじ知識もあるだけに口ではいい返せないから猶更のことジェンコの鬱憤は溜まっていました。

そうやって無意識に相手を配下の下僕扱いしてくるシュミットに一番の問題があります。

公私混同

それは公私混同です! ~エリート部長の甘すぎる指導~ (DIANA文庫)

そうしたシュミットの行き過ぎた増長は結果としてプロ意識を欠いた公私混同へと繋がります。

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