実際の文献と映画を同じ土俵で考えるには無理がありますが推測はできます。
おそらく陰陽道を修行していた10代のころに師と共に会っているのでしょう。
青音の能力
晴明は式神を使って青音を探しだし依頼の内容を伝えたのだと推察できます。
青音にしてみれば待ちに待ったチャンスですから何を置いても駆け付けたのです。
なぜ青音を頼ったのでしょうか。
それは呪詛の強さを察知した晴明が青音の力を使うしかないと考えたからです。
体内に取り込んだ悪霊を吐き出した時、一瞬ですが老婆の顔になりました。
青音の年齢を考えると、この術には100歳分のエネルギーが必要なのでしょう。
しかし青音は一瞬で失ったエネルギーを補完できるのです。
晴明がおこなったこの技は不老不死の青音無くしては実行できないものでした。
なぜ晴明は道尊に勝てたのか
晴明も道尊も互いの術力は認め合っています。
実力的にはほぼ互角か道尊の方が少し上という印象です。
しかし晴明は道尊との直接対決で勝ちました。
勝利のカギは何だったのでしょうか。
晴明の結界
晴明は強力な結界の中に道尊を誘い込み、その力を奪いました。
『結界』を分かりやすくいうと檻のようなものです。
仏教や密教などで使われるどこか謎めいたイメージがありますが、広義でいうと部屋の仕切りである襖や障子も結界です。
陰陽師が使う結界はその囲みから出ることも入ることもできなくなる目に見えない超常的な壁です。
特に晴明の作った結界は五芒星の形をしていました。
これには何か意味があるのでしょうか。
晴明の家紋は五芒星
五芒星は世界中の様々な宗教で用いられるシンボルです。
ペンタグラムと呼ばれ魔術的な意味合いを持っています。
その形は黄金率で構成されており『完璧な図案』とされてきました。
陰陽道では魔よけの護符として用いられており、道尊との戦いに先行した博雅に渡したお守りにも描かれています。
家紋としては桔梗紋の一種で晴明桔梗とも呼ばれています。
五芒星は内なるエネルギーを安定させるそうです。
博雅によって体内に五芒星の護符を埋め込まれた道尊が、晴明による五芒星の結界に封じ込められたことになります。
二重の五芒星の力により、道尊の力が爆発的な威力を持てなくなったということでしょう。
道尊の真の狙いは何だったのか
陰陽師の長である道尊は殿上人に列せられるほどの位を持っています。
多くの陰陽師を束ね様々な進言を天子におこなう日々にどんな不満があったのでしょう。
なぜ道尊は悪に転じたのでしょうか。
道尊の狙い
天子一人に媚を売るだけの殿上人たちが命ずるクダラナイ占いにほとほと嫌気がさしていたのでしょう。
陰陽師の長として君臨していた道尊は己の霊力に絶大な自信を持っています。
蝶を殺すよう命じた貴族たちに晴明が式神で幻影を見せたことをただ一人見破っていることでもその実力はわかります。