出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B073WHT3B1//?tag=cinema-notes-22

大自然の美しさを表現する木村大作と、人間味溢れるヒューマンドラマを描く降旗康男監督が9年ぶりにタッグを組みました。

2017年に公開された『追憶』、三人は涼子に何を与えたのでしょう。

啓太の嘘を中心に、篤が刑事になったことが間違いだったのかを考察していきます。

古き良き日本映画を彷彿させる『追憶』を紐解いていきましょう。

三人が涼子の人生に与えたもの

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涼子は三人の子供達を我が子のように愛しました。

そんな涼子は身代わりとなって刑務所に入ることよりも、もっと大きなものを受け取っていたのでしょうか。

母親としての愛

血の繋がった親子や結婚しているという繋がりよりも深い、3人と涼子の関係こそが温かい家族であるかのように見せています。

3人の子ども達に居場所を作った涼子は、いつも笑顔で3人に接していました。

ヤクザの情婦として過ごしていた時期があったからこそ、荒んだ心を能登の風景と子ども達に救われていたのではないでしょうか。

血よりも強くて濃い本物の「愛情」がゆきわりそうにはあったのです。

三人の子供達は涼子に母親としての子を思う気持ちを与えていました。

涼子は獄中で子供を出産しますが、直ぐに里子に出し母親として接することは出来ませんでした。

三人と過ごした時間こそ母親としての幸せを感じた時だったことでしょう。

罪を償うことが出来た

劇中で涼子の過去は詳しく描かれていません。

昔のようにさっさと稼いでこい

引用;追憶/配給会社:東宝

貴船のセリフから察すると、涼子は身売りまがいのことをしていたのかもしれません。

まともじゃない人生を送ってきた涼子はどこかに罪の意識を抱えていたはずです。

貴船と関係を持っていたのも、涼子の誤りだったことでしょう。

三人の不幸な子供たちを笑顔にすることで、少しでも罪の意識が軽くなっていたのかもしれません。

貴船を人生から消してくれた

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あくまでも考察ですが、もしかしたら3人が貴船を殺さなかったら涼子が彼を殺していたかもしれません。

涼子が身代わりになったのではなく、3人が涼子の身代わりになったのです。

母親のように慕う涼子を守るため、殺人を犯した3人は涼子がいずれ犯していたであろう罪を犯してくれました。

涼子が身代わりになったのは、3人を思う気持ちからなのは言うまでもありません。

しかし、子供に罪を犯させてしまった自分への罪でもあったはずです。

山形と一緒になれたという事実

不幸中の幸いといえるものが、山形と一緒になれたことかもしれません。

事件が起きてその場に駆けつけ現場を見た山形は、深い絆が涼子との間にできたことでしょう。

事件があったおかげで今涼子と一緒にいれる

引用;追憶/配給会社:東宝

山形がいったセリフですが、きっと涼子も同じことを思っていたのではないでしょうか。

涼子はかつて、山形や3人の子供達と幸せに過ごすことを望んていたのです。

啓太の嘘がミスリードさせる

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