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本作はスティーブン・スピルバーグ監督の出世作となった伝説の名作映画「ジョーズ」の続編です。
パニック映画の金字塔たる本作の3年後から物語はスタートし、シリーズ化の元にもなりました。
監督はヤノット・シュワルツ、キャストはロイ・シャイダー、ロレイン・ゲイリーら前作からの続投です。
あらすじはアミティに再び現われたサメに対して孤軍奮闘するブロディという構成になっています。
今回は再びアミティに再びホオジロザメが現われた理由をネタバレ込みで考察していきましょう。
また、ブロディの誤解が与えた影響やマイケル達の悲劇の真意などにもせまっていきます。
青春群像劇
前作と本作と比べて本作では色々な意味で路線変更が根本からなされていることに気付きます。
前作はサメの「得体の知れない奴」という恐怖のみを前面に押し出した純粋なホラー映画でした。
一方本作ではそうしたホラー要素よりはマイク達若者の青春群像などに重きが置かれています。
こうした路線変更に当時失望したという感想を持った客層も少なからずいたのではないでしょうか。
しかし、そうした青春群像劇の特徴を前面に押し出したことが前作とは違う悲劇性の演出に繋がりました。
このホラー路線からやや人間ドラマ重視にした構成は差別化する上でかなり意識したのでしょう。
そしてまた、サメ視点からのカメラワークが増えたことでサメもまたキャラクター性を増しています。
そうした青春群像劇の構造を擬似的に取り入れたことは地味ながら大きな変化です。
再びホオジロザメが現われた理由
本作で一番の謎はそもそも何故ホオジロザメが再びアミティ島に現われたのか?ということです。
この辺りは説明がないのですが、しかし単なる偶然でまたこの島に現われたわけではないでしょう。
一体何が目的だったのか、是非ネタバレ込みで追っていきましょう。
ホオジロザメの生態
まずはホオジロザメの生態というやや現実的な所からアプローチしてみましょう。
本作ではシャチや人間を捕食していますが、本来は逆でシャチや人間はホオジロザメの天敵です。
ただし、凶暴なのは共通しており、人間を餌と間違えて襲うことが殆どだといわれています。
また、繁殖方法が「共食い」であり、兎に角襲うことで子種をどんどん増やしていくのだとか。
本作に出てくるホオジロザメはその特徴が非常に強く出た個体であるのでしょう。
学習して強くなる努力型
ホオジロザメの大きな特徴の一つに試行錯誤を繰り返し学習しながら効率よく捕食していく点があります。
本作が前作以上に多くの人や船を襲うシーンが目立つのはその試行錯誤の過程だからではないでしょうか。
特にアミティ島のような場所はそういう捕食の実験台・練習台としては最適の環境といえます。
実際後半~終盤に向けて襲い方がどんどん鋭利で賢くなっていくので凶暴ながら知能はかなり高いでしょう。
もっとも、そんな事情の為に犠牲を強いられる人間達からしたらたまったものではありませんが…。
そう考えるとこのホオジロザメは学習して強くなる努力型といえるかもしれません。
親族の仇討ち
後のシリーズで明確に打ち出されますが、前作に出てきたサメの親族による仇討ちの可能性もあります。