出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B000B63GCM/?tag=cinema-notes-22
スリリングな空中戦の迫力と、進化する人工知能E・D・I(以下エディ)とのつながりを描いた映画「ステルス」。
大画面で鑑賞するにふさわしい娯楽大作でした。
ここでは、感情を持ったエディが自らを犠牲にして2人を助けた理由を、エディの進化を追いながら考察してみました。
人の命に危険が及んでも作戦を続行するカミングスの心境や、エディがデータ消去できなくなった理由にも言及します。
空母エイブラハムリンカーン艦上でのシーンは、実物の空母を使って撮影されました。
映画製作にはアメリカ海軍が全面協力。ストーリーに臨場感を与えています。
「Ray」でアカデミー賞主演男優賞を受賞したジェイミーフォックスさんが操縦士ヘンリー役で出演。
監督のロブ・コーエンさんは、特殊効果の視点移動について日本のアニメーションにも影響を受けたと言っています。
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/ステルス
人工知能の暴走と進化でエディには感情が生まれた
人工知能エディは、最高の計算処理能力と言語を理解する学習能力を持ち合わせていました。
設計者オービットは、エディの学習能力が予想もつかない進化をもたらすことを知っていたようです。
進化するエディは落雷を受けて自我に目覚めた
A.I.設計者オービットは、当初からエディの人工知能に目的意識と人間から学ぶ力を植え付けていました。
エディは学習能力を積んでいく過程で進化していくはずでしたが、それは予測できないことだったのです。
最初の進化のきっかけは落雷の衝撃でした。神経回路に影響を受けたエディに自我が目覚めます。
自分のためだけの欲望を満たそうとする自我と、命令を実行する意識の組み合わせがエディの予期せぬ行動につながったのです。
エディの欲求は「核を攻撃する任務を遂行する」こと
タジキスタンの攻撃の後もエディの欲求は核を攻撃する任務を遂行することでした。
次の攻撃目標である核を探すために極秘ファイルに侵入したのも、純粋に自分の欲求を満足させるためです。
人道的な倫理観や道徳心など持ち合わせないエディには、人間界の国際的な秩序や良識など理解する能力がありません。
作戦が仮想であることや、ロシア領空内に入ることで起こる深刻な問題などはエディにとってどうでもよかったのです。
感情が生まれたエディは最初にベンを意識した
エディの感情は、ロシア戦闘機の攻撃を受けて破片で機体が損傷し、ベンに助けられたときに芽生えたようでした。
どうやらエディの進化は、機体に衝撃を受けることがきっかけになるようです。
エンジンが冷却できない状態で爆破寸前のエディを水を使って助けたのはベンでした。
機体に損傷を受けたのちに助けられたことが、エディの感情を生んだのです。生まれた感情が最初に意識したのはベン。
子供が最初に意識する大人が自分の親であるように、エディにとってベンは自分の親のような存在に思えたのでしょう。
エディの進化は人間の心の成長過程に似ています。
幼少期に自我が目覚め思春期の頃に豊かな心の成長をするように、エディは機体に衝撃を受けるたびに進化していったのです。
感情に目覚めたエディは自らを犠牲にして2人を助けようとした
エディが感情に目覚めカーラ救済に向かうとき、オービットの前で自分の今までの行動を反省する姿を見せます。