一度別れを経験したことによって光も色葉もより強く優しい恋人になることが出来ました。

記憶の蓋の鍵

色葉が半年間限定の交際にしていたのは、彼女が脳腫瘍を抱えていたからでした。

後遺症で光達との思い出を全て失ってしまった色葉は光の存在が分かりません。

そんな彼女の記憶の蓋を開ける鍵となった決定打をここでは見てみましょう。

友達の力

「友達力」で決まる! 子供の「人間関係力」を育むために、親にしかできないこと

色葉が記憶を取り戻す最初のきっかけは光の友達の力によるものでした。

親友の伊東を中心に伊東、純絵、ありさ、そして高梨ミツヤが間淵と色葉の結婚式へ乱入します。

そこで仕掛けたサプライズのスピーチがそのきっかけとなってくれたのです。

ここで秀逸なのは光と色葉だけの関係にせず、二人を取り巻く友達の力が影響を与えていること。

これにより二人を恋人に戻す前に他者との繋がりという広い視野も持たせているのです。

光の友達は同時に色葉の友達でもありました。

フィギュアの杖

カードキャプターさくら ETERNAL MASTER PIECE B:星の杖

そして一番の決定打となったのは伊東が色葉に渡した魔法少女の杖でした。

これはいってみれば欠けた彼女の記憶の象徴であると同時に光との思い出でもあるのです。

魔法少女えぞみちは杖を持っていなければ魔法を使うことが出来ず不完全な存在となります。

そう、魔法少女えぞみちとはいうまでもなく色葉のメタファーでもあるのです。

彼女が杖で光との記憶を取り戻すことは避けられない必然だったのではないでしょうか。

人形には魂が宿るといわれますが、まさにそれを地で行ったのがこの終盤の展開でしょう。

あだ名の意味

そうして記憶を取り戻した色葉は光に「つっつん」という自分でつけたあだ名をいいます。

このあだ名はまさに色葉と光の二人だけの間柄で通用する特別な共通代名詞なのです。

あだ名というものは兎に角人がつけたがるもので、その中にはいじりやからかいなどもあります。

ですが、本作のつっつんは色葉の光に対する純粋な好意からつけられたものでした。

まとめると友達の力、人形の欠けたもの、そして最後につっつんというあだ名。

これらは全て「二人の思い出」を具象化したものであり、はっきりと形のあるものです。

記憶という無形のものを思い出すにはこれら有形のものが決定打となったということでしょう。

手術後の別れ

さて、そのような記憶喪失の関係で手術後光と色葉は辛い別れを経験することになりました。

勿論別れを選びたくて選んだわけではなく、記憶喪失からの成り行きでした。

ここではその別れをあえて経験させた真意を考察していきましょう。

高校生から大人への通過儀礼

通過儀礼 (岩波文庫)

上述した個人と社会に関連しますが、光は一度色葉と別れることで高校生から大人になるのです。

大人になるということは必然的に友達との別れを通過儀礼として経験することになります。

もし二人が交際期間を決めずにずっと付き合い続けていたら、二人きりの世界だったかもしれません。

別れを経験したことによってオタクでコミュ障だった筈の光は社会人として就職できたのです。

成長とは子供だろうと大人だろうと常に痛みを伴うので、これは必要な痛みでした。

都合のいい話にしない

作劇として見ると、ここで一度記憶喪失による別れを経なければ二人の話に重みがないからでしょう。

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