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新垣結衣さんと瑛太さんダブル主演の映画「ミックス。」は、コミカルな展開の中に前向きに生きる素晴らしさが描かれていました。
何度もテレビコマーシャルに登場した2人の卓球シーンが印象に残っています。
映画の終盤で、2人の所属する卓球チームフラワー卓球クラブの選手たちが懸命に戦うも敗北するシーン。
負けてもさわやかな笑顔が生まれている理由を考察してみました。
主人公多満子を取り巻く恋愛模様や、帰郷して活気のないクラブに足を運んだ理由などにも迫ります。
「ミックス。」は監督の石川淳一さん、人気脚本家の古沢良一さんを迎えて制作され劇場公開されました。
新垣結衣さんや瑛太さんのはじけた演技が好評で、撮影前の卓球の特訓がいかされ試合シーンも迫力満点です。
共演は、遠藤憲一さんや田中美佐子さん、広末涼子さん蒼井優さんなどの豪華なキャスト。
ほんの短いカットですが、生瀬勝久さんや吉田剛太郎さんが顔を出しているのも注目です。
実際の全日本卓球ナショナルチームの石川佳純さん、伊藤美誠さんなどの出演も話題になりました。
新垣結衣さんは第60回(2017年度)ブルーリボン賞 主演女優賞 を受賞しています。
敗北後の爽快感やさわやかな笑顔の意味を考察
なぜ、卓球クラブの出場者は、負けたのに清々しい気持ちになれたのでしょうか。
出場辞退になるところを寸前で乗りこえ、全日本選手権予選に2度目の挑戦をしたフラワー卓球クラブの面々。
卓球に対するそれぞれの気持ちに変化が現れたようでした。
優馬は走った
クラブの出場辞退を救ったのは、最年少の佐々木優馬でした。
不登校になり、毎日を漠然と過ごしていた優馬にとって、唯一打ち込めたのが卓球の練習だったといえます。
アクシデントが重なってみんなが大会に出ることを諦めた時でも、1年間の努力を無駄にしたくなかった優馬。
生きる理由を模索していた優馬にとって、唯一自分を表現できる卓球をこのままで終わらせたくなかったのです。
クラブで活動するうちに、いろいろな人の人生を知ることで同じ年頃の子とは違う経験をさせてもらっていました。
ホワイトボードを見ながら、自分のこれからの人生を考えるきっかけをもらえたクラブへの恩返しを決意したのでしょう。
本来の飾らない自分を出すことを決意した弥生と息子の死を乗り越えた落合夫妻
吉岡弥生は医者の夫の体裁を装うために、自分を隠して生活しクラブで卓球をすることでストレスを発散していました。
この大会に出ることで、弥生が自分を装うことをやめ本来の自分を取り戻すことができたのです。
自分らしく生きると決め、思い切り卓球を楽しめた時、勝ち負けに関係ないさわやかな笑顔が生まれたのでしょう。
落合夫婦もまた息子を亡くしたことで人生の虚脱感を感じていました。
卓球を通じて思い切り相手にぶつかることを経験し息子の気持ちに近づくことができたのでしょう。
試合をきっかけに息子の死を乗りこえることができたのです。
人生の挫折を味わいようやくお互いに輝くことができる伴侶を見つけた多満子
元プロボクサーの萩原久と偶然出会い、卓球でペアを組んだことからようやく自分を輝かせてくれる相手を確認できた多満子。