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2008年公開の本作は「ディスタービア」と同じD・J・カルーソー監督とシャイア・ラブーフのタッグ作品です。
助演にはミシェル・モナハンもいて、シャイアとは非常に息の合った演技合戦を見せてくれています。
また製作総指揮をかのスティーブン・スピルバーグが執ったことでも大きな話題を呼びました。
あらすじはネットワーク社会の危険性を題材に、人工知能アリアの暴走を描いています。
アリアの暴走に巻き込まれるジェリーとレイチェルの奮闘・アクションもまた本作の見所です。
今回は事件の元凶となったアリアの目的についてネタバレ含めて考察していきましょう。
また、イーサンの死の真相やジェリーとレイチェルが選ばれた理由なども併せて見ていきます。
有名SF作品のアンソロジー
本作は全体の構造としては斬新といえるようなアイデアは殆どなく、過去作品のアンソロジーとなっています。
例えば一般人の青年がいきなりFBIによって国家レベルの陰謀に巻き込まれるのはヒッチコック監督作品の定番です。
また、後述する人工知能アリアはその描写共々完全に「2001年宇宙の旅」に出てくるHALをモデルとしています。
ただ、こうした過去作品のパッチワーク的な要素はかなり意図的になされた先達作品へのオマージュでしょう。
特に「2001年」に関してはキューブリック監督と親交が深かったスピルバーグが幾分意識したのかもしれません。
なので映画ファンのコアをかなり刺激するファンサービス満載の作品となっているのではないでしょうか。
アリアの目的
今回の事件の元凶であるアリアは後半人工知能であることが判明しました。
無実の一般人を巻き込んだ目的は果たして何だったのでしょうか?
あらすじを追いながら見ていきましょう。
テロ防止
アリアの目的はテロ防止、即ち国民全部を監視するコンピュータシステムでした。
まさに文字通りの”イーグル・アイ”、全てを上から見通す鷲の目の象徴です。
これ自体はありがちな管理社会なのですが、ネットが発達した現代ではより洗練されています。
逆にいうとアリアの元では迂闊な犯罪行為や戦争などは仕掛けられないということです。
しかし、話が進むにつれてアリアの目的は徐々に凶暴なものへ変貌していきます。
テロの元凶は全て潰す
アリアの目的が凶暴化したのは指名手配中の容疑者をアメリカ政府が勝手な判断で殺したからです。
それが原因でアフガニスタンから報復を食らうことになってしまいました。
アリアが指摘する通り、迂闊に自己判断で手を出さなければ報復されることもなかったでしょう。
つまりアリアはテロ防止の為なら戦争を起こそうとする人間は国のお偉方であろうと殺すのです。
余計な感情をそぎ落としプログラムの理性のみが残り、極めて合理的な選択をしたことになります。