ロボットをひどい環境の中で労働させている人間は、ロボットの敵にしか見えません。
それなのに第一プロトコルを残しておいたのには何か理由があるのでしょうか。
人間への感謝
初期ロボットの命は本来人間によって消されるはずでした。
しかし結果として人間によって救われたのであれば、初期ロボットは人間を憎むことができなかったでしょう。
それに初期ロボットが生まれた当初、人間と会話を楽しんでいました。
それがまだ記憶の中に残っていて、人間に情けをかけたとも考えられます。
だからこそ他のロボットが人間を攻撃しないように第一プロトコルだけは維持させたのではないでしょうか。
勝手に滅びる
ロボットが人間を殺しても殺さなくても、近い将来人間は地球で生きていけなくなります。人間は勝手に滅びるのです。
だからその最後の時まで人間をサポートする役割を果たそうと考えていたのかもしれません。
それが自分たちのことを創造した人間への恩返しだったのでしょう。
犯人の正体にジャックが驚く理由
犯人の正体を目の当たりにしたジャックは驚きを隠せませんでした。それほど彼の予想に反した人物だったのです。
なぜジャックがそれほどまで驚いたのか考察していきます。
人間じゃなかった
ROC社がジャックを疑ったように、ジャックも犯人が人間であると信じて疑わなかったと考えられます。
改ざんしたのは凄腕の技師だろうと思っていたジャックにとって、ロボットが犯人だったこと自体がありえないことなのです。
人間よりもロボットの頭脳の方が勝っており、ロボットを超えることができない人間の現実を目の当たりにしたのではないでしょうか。
古い型のロボットなのに
人間にできないことを古い型のロボットがしている。しかも何十年も前の初期のロボットですから、今のロボットより性能が劣るはず。
ロボットは労働者だとジャックは認識していたはずですから、初期ロボットですら高い知能を持っていたことに驚いたのだと思われます。
ずっと前から人間はロボットに負けていたと思い知らされたのかもしれません。
まとめ
守られているはずのプロトコルが改ざんされた事件は、人間の脅威です。
ですが改造した本人や改ざんされたロボットたちも人間に対して復讐心を持っているわけではないようです。
ロボットは驚くほどの学習能力で、人には見えない未来まで見てしまったのでしょう。
彼らが何を悟ったかは分かりませんが、人間とは違う道を進むことを決断したように見えます。
このロボットの判断を、私たち人間はどう受け止めれば良いでしょうか。
核汚染で人間が住めなくなる地球は思った以上に私たちの身近にあり、映画の世界もフィクションとはいい切れなさそうです。