彼は利益が上がる生産性の高い羊を求める内に噛みついて羊の仲間をネズミ講式に増やしていく羊を開発していました。

つまり彼は悪い意味での合理主義者であり、自分の利益の為なら他者の迷惑など一切顧みていないのです。

だからアンガスにとっては動物虐待に当たろうが何だろうが、羊で儲けられればそれでいいとしか考えていません。

だからエクスペリエンスやグラント達の指摘は何ら彼の心を変えさせるものにはなりませんでした。

真の野望

後半アンガスは羊を利用してのビジネスすら超えて全人類を羊人間とし、頂点に君臨するという野望を剥き出しにします。

環境問題や動物虐待などで悩まないよう、羊と人間が一体化すればいいという考えなのではないでしょうか。

その証拠に彼は何と仲間と認識してくれた羊と肉体関係を結んでしまうという前代未聞の行動を起こします。

もはや綺麗事では片付かない領域まで来たからこそ、エクスペリエンスやマック夫人も銃で殺しにかかるのです。

野生の本能に肉体も精神も支配された結果理性ですらも駆逐されてしまったと推測できます。

悲惨な末路

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最後の最後、アンガスは血清によって人間に戻ったものの、根本の環境問題にまで考えが至りませんでした。

だからこそ彼は羊達に食い殺され、更には地球温暖化の原因である屁という名のガスに引火した火と共になくなるのです。

環境問題や動物虐待という自身の内面に抱えていた精神異常ぶりから目を逸らして利潤だけを追った結果でしょう。

わずかでも人間の心が残っていたら平和な牧場となり、タッカーの農場ともいい関係でいられたのではないでしょうか。

死ぬ間際まで自分のことをどこかで認めさせたかったのかも知れません。

奪う者は奪われる

奪う者 奪われる者10 (ファミ通文庫)

こうして見ていくと、最終的にブラックシープ=鼻つまみ者にされたのは皮肉にも兄アンガスでした。

何故こうなったのかといえば、彼は弟から、そして人から「奪う」ことしか考えないビジネスを展開したからです。

仕事は確かに結果を残し数字を出してナンボですから、数字や生産性に拘ることは悪いことではありません。

しかしその利益や収入は他の方の支出があってこそ成り立つわけであり、まず最初に与えることが必要です。

あくまでもギブ&テイクであってテイクばかりするのは真っ当なビジネスマンだとはいえません。

その根本を履き違えれば、奪う者はいつか誰かに奪われてしまうのです。

まとめ

ノン・フィクション

いかがでしたでしょうか?

最終的に兄アンガスに奪われた羊たちと牧場は無事弟ヘンリーの元に帰ってきました。

そして彼にはどんな辛いときも支えてくれるタッカーやヘンリー夫人など理解者・協力者に恵まれています。

どんな仕事もあくまでも大切なのは人と人の繋がり、そして如何に商品を大事に扱えるかにかかっているのです。

羊を殺し、また遺伝子操作で凶暴化させるなどビジネスパーソンとして一番やってはいけません。