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映画「マダム・イン・ニューヨーク(English Vinglish)」は2012年公開のインド映画です。

監督はガウリー・シンデー、主演にシュリデヴィとメーディ・ネブーを据えています。

特にシュリデヴィは15年ぶりの女優復帰で、どこか主人公シャシと重なる所がありました。

シャシは主婦でありながら英語が話せないことを家族からバカにされコンプレックスを感じています。

そんな彼女が結婚式の都合で行ったニューヨークの英会話学校で奮闘する様は多くの人の共感を呼びました。

本稿ではシャシのスピーチの決意をネタバレ含めて考察していきましょう。

また、彼女がラドゥを作り直した理由や愛の質問の真意なども併せて掘り下げ読み解いていきます。

家族と個人の狭間で

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本作全体を貫いているのは主婦・母であることに苦悩し、自分を見つめなおすシャシの孤軍奮闘です。

母として家族の為に尽くしていながら誰からも感謝されず、それどころか家族からからかわれる四面楚歌のシャシ。

本作は主婦ならば一度は経験したであろう家族と個人の狭間における葛藤を克明に描きました。

ただし、理解を示さない父や子供たちが悪いとはせず家族への在り方そのものは肯定されています。

その上で母・主婦ではない「人間」としての自分の在り方を模索する物語が「マダム・イン・ニューヨーク」です。

シャシのスピーチの決意

シャシの孤軍奮闘はラスト、姪っ子の結婚式のスピーチという形で一つの集大成を迎えます。

このスピーチは彼女の英会話学校での日々のすべてが詰まった決意表明です。

彼女は果たしてそこにどのような思いを込められたのでしょうか?

スピーチの内容を細かく分解しながら見ていきましょう。

自己肯定感の高揚

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まず一つ目はニューヨークの英会話学校で英語を習得したことで自己肯定感を高揚させたことです。

このことは彼女のスピーチの中で以下のように表現されています。

Nobody can help you better than you.
(自分を助ける最良の人は自分)

引用:マダム・イン・ニューヨーク/配給会社:彩プロ

そう、人間最後に自分を助けるのは自分であり、決して自らを否定してはいけないと彼女はいうのです。

シャシは英語を習得するまでずっと自己肯定感が低いままうだつが上がらない日々でした。

しかし、英会話学校の仲間たちと共に頑張り汗した日々は全て彼女自身の力で手にした成果です。

この自己肯定感の高揚をはっきりと宣言したことでシャシには自信と強い芯が芽生えました。

対等

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二つ目が夫のサティシュと対等でありたいというものでした。ここも以下のように表現されています。

Try to help each other to feel equal. It will be nice.
(互いに助け合って対等と感じるようにすれば大丈夫)

引用:マダム・イン・ニューヨーク/配給会社:彩プロ

シャシは菓子作りをはじめ家事はやって当たり前だと夫に散々バカにされてきました。

しかし、夫の仕事と妻の仕事のどちらが上でどちらが下かなどという優劣はありません。

本来はどちらも対等な筈であり、格下扱いされるのはもうごめんだとはっきり述べています。

ここで秀逸なのは決して夫が過去にしてきたからかいを否定していないことです。

自分は責めても他者は責めないシャシの人の良さもまた表しているのです。

決めつけないこと

すぐ「決めつける」バカ、まず「受けとめる」知的な人

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