それは彼に孤独と絶望を与え、どこかへ逃げ出したくなる衝動にかられたと思われます。
そんな時は薬物を使用して現実逃避できることを、彼は知っていました。
ベンを取り囲む環境がもっと彼に寄り添っていたら、薬物の誘惑に抵抗できたのかもしれません。
目を覚ましたベンの心中
ホリーの祈りが届いたかのように、死にかけていたベンの意識が戻りました。
彼の目が覚めた時、ホリーは喜びを感じたでしょう。
ですがベン本人も同じ感想だとは限りません。彼はどのような気持ちでいたのでしょうか。
自殺だった可能性も
ポンスを車内に残して連絡先を書いておいたのは、ベンが動けない状態に陥ることを理解しての行動です。
もしちょっとだけ薬を使用するくらいならば、むしろ誰にもバレないようにしたいはず。
薬を持っているだけでもひどく叱られるのですから、使用したとなるとどれだけ母親に怒られるか分りません。
連絡先を貼っておいたら、すぐに母親が駆けつけて来る可能性もあるわけですから、普通ならば避けるでしょう。
しかしそんな危険を犯してまで連絡先を貼り出したわけは、ベンが死を覚悟していたからだと思われます。
彼としてはポンスを助けたところで人生を終わらせたかったのではないでしょうか。
そう考えると無理矢理命を救われたことは、不本意だったと考えられます。
神様からのメッセージ
自分の理性に反して薬物摂取の衝動を抑えられなかったのだとしたら、目を覚ませたのは感謝すべきことだったでしょう。
車に連絡先を貼り出すくらい、死を覚悟していたはずですから、まさに奇跡の生還だと感じたはずです。
それと同時にまだ死んではいけないのだと実感したでしょう。
神様が自分を生かしてくれたと解釈したかもしれません。
ここからが新しい人生の始まりであり、心を入れ替えて薬物依存を乗り越えようと誓ったとも考えられます。
まとめ
ベンが目を覚ました場面で終わるラストは、ハッピーエンドなのかバッドエンドなのか解釈が分かれるところでしょう。
しかし共通していえるのは、薬物依存から脱するために人生をかけてリハビリしなければならないということです。
命を守れたことは喜ばしいのですが、ここで終わりではありません。
ベンが以前の彼に戻れるのはまだまだ先の話であり、それこそが薬物依存のハードルの高さなのだと痛感させられる作品です。