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ここでは、この依存症を誘発する他の要因について考察してみます。
昔から薬物に手を出していた
エイミーはわずか13歳という年齢で、家を出て友人と協力し合いながら生きていくようになりました。
その家を出ていく理由について、当然「家にいたくなかった」というのもありますが、もう一つの理由を語ります。
もっと本当の理由は「ハッパ」が一日中できると思ったから。一日中ハッパを吸うなんてママの家じゃできないしね
引用:AMY/配給会社:KADOKAWA
このセリフから、エイミーは家を出た13歳のころにはすでに薬物に染まっていたことが分かります。
この年から27歳で亡くなるまで、一時的に薬物を断つ時間はあったでしょうが、全体的に見てエイミーは10年以上薬物を続けているのです。
体が大きく変化するこの時期から薬物を使用していたとなれば、おそらく生涯薬物を使用しないのは難しいでしょう。
エイミーは超重度の薬物中毒者だったのです。
所かまわず…
映像では、まだ若く駆け出しのころの時期はプライベート映像が多いです。
そのプライベート映像の中に、薬物（ハッパ）が映し出されていました。
しかもそれは、バーミンガムで曲を披露する前に映し出されたもの。映画序盤でありながら、この時にはもう立派な中毒者です。
つまり、場所や時間を選ばずに、薬物に手を出してしまうのはこの時から始まっていました。
また、そうさせたのは、親への反発や曲がった愛情ゆえの行動だったのかもしれません。
というのも、母親が嫌がることを全部やりたい、とする作詞をするほど親への感情は複雑なものだったからです。
止める者は離れ、気にしない者が近づく
薬物やアルコールに依存して壊れてしまうのは、とくにストレスを抱えていた時期です。
映画後半になるにつれ、エイミーは薬物やアルコール依存の症状が激しくなってきました。
その症状の激しさと比例して、エイミーの名声は大きくなり、「させられる」仕事も増えます。
また、エイミーから「搾取」しようとする人間も集まり、これが依存症を誘発するストレスを与え続けました。
ブレイクの存在
作品を通して、エイミーが最も愛していたように見えるのがブレイクでした。
そのブレイクとは、自傷行為があることや親へ抱く感情などの馬が合い、エイミーは深くブレイクを愛します。
しかしエイミーがやっと矯正施設を訪れたとき、そのブレイクをドラッグ・カウンセラーのチップ・サマーズがぶった切ります。
これはよくあるケースだと私は確信した。一緒に薬物を使用することであぶく銭を得る者が、銭を失う恐れから相手の回復を望まない
引用:AMY/配給会社:KADOKAWA
エイミーと常に一緒にいて、薬物を使用していたのは彼氏のブレイク本人です。
つまりブレイクの存在が、エイミーをアルコールやドラッグ漬けにしたとカウンセラーの言葉から判断できます。
父親の存在
エイミーが家を出たときも特段追いかけもせず、さらに矯正施設への入所を「拒否」したのは父親でした。
エイミーが有名になって、お金を稼ぐようになった父親は、映画後半になるにつれエイミーのそばを離れなくなっています。
終盤では、エイミーが薬物を使用しない環境に身を置いたのに、マネージャー気取りで島に撮影部隊も連れてやってきていました。
彼女は病んでいた。身も心も完全に。誰かに言ってほしかったのね「終わりにしろ」って
引用:AMY/配給会社:KADOKAWA
友人のジュリエットが言うように、エイミーは音楽活動を休止すべきでしたが、父親がそうはさせなかったのです。
また、薬物にこそ手は出しませんが、この時になるとその代わりであるかのようにアルコール摂取が増えます。
プライベートな時間もなく、常になりたくなかった「有名人」になっていることで、エイミーはストレスフルな生活を送っていたのです。
マネージャーのレイ
映画前半部では、ニックがエイミーのマネージャー役を担っていました。
しかしエイミーとのすれ違いから、役を外れてしまいます。それでもニックは、エイミーがピンチになる度登場しました。
エイミーが有名人になると、マネージャーにレイという人物がつきますが、いわゆるアメリカらしい考え方をしている人物です。
アルバムやツアーの宣伝を行うのが仕事。あとは家族の責任
引用:AMY/配給会社:KADOKAWA
レイはエイミーの体調など気にしません。それはレイの仕事外の話であり、健康面は家族の問題と捉えています。
ある意味、他人行儀ともとれるその発言から、エイミーには仕事をしてもらわないと困ると思っている、と判断できるでしょう。
