社会に対する不平や不満といった批判精神が二人の原動力なので世間一般には理解して貰えないでしょう。
どちらにしろまともな道ではなく苦労を伴う茨の道であると推測されます。
闇商人
詐欺師ではないでしょうが、恐らくこの二人の場合形を変えて闇商人となるのではないでしょうか。
本物のお金持ちが表舞台に出ないのと同じように本当の極悪人もひっそりと裏で暗躍し続けるものです。
ラモーナとデスティニーは今回のことでお金の良い面も悪い面も沢山知ることとなりました。
そして共通しているのは二人とも家族や家庭を結果として崩壊させ捨てるという選択をしていることです。
もうこの時点で二人はいわゆる世間一般の人達と同じ普通の幸せを持つことが出来なくなっています。
つまり二人はもう日向の当たる世界へと戻ってくることはないということです。
涙の別れの真意
ラモーナとデスティニーは逮捕された後、すれ違いで憤りを感じながらも涙を流して抱き合います。
この涙の別れには果たしてどのような真意があったのでしょうか?
富豪になれなかった悔しさ
一番にあったのはやはり富豪になれなかったことへの悔しさではないでしょうか。
デスティニーとラモーナがストリッパーでの違法な金儲けに走った理由は第一に富豪になるためです。
その為なら自分の体もプライドも全てを投擲したのですから、まず悔しさが走ったと推測されます。
二人が賢かったのはお金持ちから奪い取ったことであり、決して低所得者には手を出しませんでした。
この一線だけは徹底して守っていたことが二人のお金に対する拘りをよく表わしています。
社会に認めさせられなかった無念さ
二つ目に二人の存在を社会に認めさせることが出来なかった無念さがあるのではないでしょうか。
お金持ちを狙った根底は単なる稼ぎの良さだけではなく富裕層に対する逆恨みがあったからです。
真面目に働いても大して稼げない自分達に対して何故金持ちはいつも悠々自適な生活が出来るのか?
経済格差への忸怩たる思いが強烈にあり、社会に自分達を認めさせたいという承認欲求にもなります。
それが犯罪者として逮捕されたことによって社会に否定されたことになってしまうのです。
その無念さがデスティニーとラモーナを襲ったからこそ涙を流したのではないでしょうか。
裏切りの悲しさ
第三の理由は金で人を裏切ってきたデスティニーとラモーナが最後は自分自身を裏切った悲しさでしょう。
二人は決して単なる仕事仲間ではなく、お互い弱者として身を寄せ合うように生きてきた日々があります。
だからこそ上述したように単なるビジネススキルだけじゃなく情の部分で強い繋がりを作れました。
その情が仇となってお互いを裏切る結果となったことへ一抹の悲しさが過ぎったのではないしょうか。
正に他者を裏切ってきた因果応報となったことの強調です。
お金の本質
ラモーナは雑誌掲載の取材で、エリザベスに対してこのように答えました。
この国はストリップクラブみたいなものよ。
金持ちが札束をばらまき、人々がそれに群がって踊り狂うのよ。引用:ハスラーズ/配給会社:REGENTS
凄まじい皮肉・風刺の効いた名台詞で、お金の本質を非常に的確にいい表わしています。