この罪の意識はロビーにどれだけ重くのしかかったか。今さら何をいっても遅いですが、ロビーの後悔は計り知れないものだったはずです。
性的虐待が起こる背景
神父全体の6%が子供に性的虐待をしているとされています。
当初の予想を大幅に上回る87人もの神父が性的虐待をしていた原因は何だったのでしょうか。
結婚できないシステム
カトリック教会の神父は生涯独身を貫きます。つまり神父は一生禁欲を求められることになるのです。
ですがそれに耐えられない神父だっているはずで、性欲のはけ口が子供たちになるのでしょう。
神父も人間ですから、欲を抑えつければどこかで歪みができます。
ですから結婚できないシステムが神父を性的虐待の加害者にする一因になったといえるでしょう。
未熟な精神
研究の結果、神父たちの精神年齢は12、3歳であるとサイプが話していました。
神様の教えを人々に伝える神父は、人間として成熟した存在ではなかったのです。なぜそうなったのでしょうか。
精神は他者との関わり合いの中で育っていくのだと考えられます。
自分とは異なる考えを持つ人の意見を聞き、理解しようとすることはその人の成長を促す要因となるでしょう。
その点において、周りの人々が自分と同じように神様の教えに従う環境であれば、異なる意見を得る機会がありません。
これでは精神年齢はいつまでも上がらず、大人になっても中身が子供のままの神父が出来上がってしまうのです。
そんな未熟な神父が欲望のまま子供に手を出したのではないでしょうか。
なぜ教会は隠蔽したがる?
加害者神父は男女問わず子供に手を出しましたが、多くは少年を狙っていたようです。
しかしカトリックでは同性愛行為は認められていません。なぜなら自然に反する行為だとされているからです。
そうなると子供に性暴力を加えることと同時に、同性愛という罪も加算されます。
神様に近い存在である神父が自らカトリックの教えを破っていたとなると、信者が神様の教えを信仰する意味はあるのでしょうか。
信者が信仰心を失えば教会は不要になります。そして多額のお布施や賄賂を受け取ってきた教会には、お金が集まらなくなるはずです。
その結果教会を維持できなくなり、多くの神父や大司教は存在価値を失います。
そう考えると教会が神父の性的虐待を隠蔽したがるのも当然かも知れません。
まとめ
人を正しい道へ導くはずの神父が子供に性的虐待をするという大事件は、予想以上の広がりをみせました。
ですがこれは神父個人だけの問題ではなく、教会組織の問題でもあります。
現にロウ枢機卿はボストン大司教を辞任してもローマにあるカトリック教会最高位の教会に転属しただけで済まされました。
教会の隠蔽体質はいつまで続くのでしょうか。スポットライトとカトリック教会の戦いはまだまだ終わらないのかもしれません。