出典元: https://www.amazon.co.jp/dp/B06XC418KG/?tag=cinema-notes-22
ナ・ホンジンが監督を務めた韓国映画「チェイサー」は実際に起きた連続殺人事件を元にして作られました。
主要キャストはキム・ユンソクとソ・ヨンヒ、そしてハ・ジョンウ。
元刑事のジュンホが斡旋している風俗嬢たちが行方不明になったことから、共通する客のヨンミンに疑惑の目を向けました。
ミジンが囮となってヨンミンの家に入りますが、逆に暴行を受けてとらわれてしまいます。
一度は警察がヨンミンを捕まえるも、時間切れで解放されて、彼は再び隠れ家へ。
ヨンミンを追い続けたジュンホの目的は果たされるのでしょうか。
今回は、パク執事の家に住んだ理由・ラストに窓の外を眺める意味・キリスト教が作品に与える影響をネタバレ考察します。
キリスト教が作品に与える影響
犯人のヨンミンは教会の庭に遺体を埋めていたり、キリスト教の建築家であるパク執事の家に住んだりしていました。
キリスト教がこの作品に大きな影響を与えていることは間違いありません。
壁一面のキリストの絵
ヨンミンが刑務所で仲良くなった男の家に居候していた頃、壁一面にキリストの絵を描いていました。
しかしその絵はキリストを祝福する絵ではなく、磔刑に処されたキリストの姿。
鬼気迫るその絵には憎しみが込められているようにも見えます。
そのシーンはキリストが人々の罪を代わりに引き受けて殺された場面ですから、キリストの偉大さを感じるところです。
しかしヨンミンはこのシーンをキリストを刑に処す側の立場で見ているのかもしれません。
彼はこの絵を描きながらキリストの手足に杭を打ち込んでいるのです。
ノミと金槌
殺人の凶器といえば銃や刃物が一般的ですが、ヨンミンは違いました。
壁一面にキリストの磔刑の姿を描いていた彼は、磔刑に用いられた道具に見立ててノミと金槌を凶器に使用したのだと考えられます。
絵を描きながらキリストに杭を打ち込んでいたヨンミンは、それだけでは物足りなかったのかもしれません。
被害者にノミを打ち込むことでキリストへの刑の実行を再現していたのではないでしょうか。
パク執事の家に住んだ理由
作品の中であまり関連性がないように見えるヨンミンとパク執事ですが、なぜヨンミンは執事の家に住んだのでしょうか。
キリスト教の建築家
もしパク執事がキリスト教に関連した作品を手がけていなかったら、ヨンミンは執事に目をつけなかったでしょう。
パク執事の家は屋根に十字架が取り付けられ、さながら教会のようでした。
ヨンミンも本当は教会に住み、そこで殺人を行いたかったのかもしれません。