いざ犯人と出会った時、現役時代に感じていた情熱と執念が再燃したのかもしれません。
警察は正義か
ヨンミンをもう少しで殺せるという瞬間に警察が突入してきました。
振り上げた手を一度は止めたジュンホでしたが、やはり殺すべきだと思ったようです。
警察がヨンミンを解放してしまったために、ミジンは死んでしまいました。
ミジンを助けることが正義なはずなのに、それをできなかった警察は本当に正義なのでしょうか。
ヨンミンを殺すことでのみミジンを助けられただろうと彼は考えたはずです。
ミジンは死んでしまいましたが、彼なりの本当の正義を貫き通したかったのかもしれません。
ラストに窓の外を眺める意味
病院の外にはソウルの夜景が輝いていました。連続殺人事件はそんな街の中で起きたのです。
ラストにジュンホの目に映る夜景が示すものとは一体何だったのでしょうか。
現実の中の非現実
ジュンホが命がけで殺人鬼を探し回ったこともまるで知らない様子でソウルは日常の営みを続けていました。
もしジュンホが事件の当事者でなければ、この夜景も大して意味のないものだったでしょう。
しかし目の前で被害者の娘が寝ている状況は、ジュンホが事件に関わったという事実を否応なく突きつけてきます。
非現実的な猟奇殺人は確かに現実で起こったのです。
窓を隔てた内と外で、現実と非現実が区別されているかのような対比が事件の残酷さをより強調しているのではないでしょうか。
キリスト教の下で起こる殺人
病院の窓から見える町並みの中には、どれほど多くのキリスト教の建物があるでしょうか。
韓国の宗教の中で最も信者が多いのはキリスト教です。
そう考えるとこの連続殺人だけでなく、すべての事件はキリスト教の下で行われていると言っても過言ではありません。
ラストで町の夜景を写すことによって、今この瞬間にもこの中で今回のような事件が起こっている可能性を仄めかしていると考えられます。
まとめ
物的証拠が見つからなければ12時間以内に解放しなければならないという決まり。
それは被疑者の人権を守るためですが、これによってミジンは殺されてしまいました。
人権と人の命どちらの方が尊重されるべきなのか考えさせられます。
最後には切り取られた首の状態で犯人の逮捕を見届けたミジン。彼女の無念は死んでも晴れないでしょう。