仕事もあくまでも人と人との繋がりであり、デューイとギリースの職務怠慢も大元はそこが原因と推測されます。
自社の社員を大切に出来ない企業・会社が商品やお客様を大切に出来るわけがないのは当然でしょう。
ヒューマンエラー
突き詰めると事故の原因は全くたいしたことがない些細なヒューマンエラーに起因するものなのです。
しかし、こうしたヒューマンエラーは例え始まりが細かい操作ミスでも連鎖して大事故に繋がる遠因となります。
1つの大事故が起こる背景には29の軽微な事故と300のヒヤリハットがあるといいますが、本作はそれが原因です。
そしてまた、そのヒューマンエラーも情報不足や思い込み・慢心といった人間の負の心構えによって生じます。
逆にいえば会社がコンプライアンスをしっかりしていればこういう大事故には発展しないものなのです。
777号を止めた者の正体
このようなヒューマンエラーで起きてしまった777号の事故ですが、結果としては停止に成功しました。
果たして、その立役者となってくれたのは誰なのでしょうか?
フランクとウィルとネッド
まず直接の立役者となってくれたのはフランクとウィルとネッドの3人です。
まずフランクが1206号と777号を逆向き連結にして止めることを提案したことが始まりでした。
次にネッドが1度トラックにウィルを乗せてウィルが777号の機関室へ辿り着く寸法です。
最後の決め手は新米車掌のウィルとはいえ、彼だけでは止められなかったでしょう。
ベテランの機関士と高いプロ意識を持つ溶接工主任という強力なサポーターが居たおかげです。
正に適材適所、それぞれがそれぞれの形で最高の仕事をした結果でした。
影の実力者コニー
そしてもう1人、3人の活躍を後押ししてくれたのが若手の女操車場長コニー・フーバーです。
女だてらにプロ意識が高く、咄嗟の機転や冷静な判断力に優れ時として上の命令を無視する大胆さもあります。
決して表舞台に立つことはないですが、彼女の尽力や支えがなければフランク達もまた危なかったでしょう。
解雇と事故という極限のプレッシャーがかかった状態でも焦らず諦めなかった彼女は正に影の実力者です。
演じるロザリオ・ドーソンのクールさも相俟って凄まじい存在感を発揮していました。
スコットとジャッド
そしてもう2人コニーの裏に影の実力者としてスコットとジャッドが居たことも忘れてはいけません。
スコットは連邦鉄道局の職員でありながら鉄道の知識が豊富で、コニー達に多くの助言を与える生き字引です。
そしてまたジャッドも殉職したとはいえ命を賭して777号を止めようと尽力してくれました。
ヒューマンエラーが様々な危険要素で起きるのと同じく事故を食い止めるのも様々な人達の協力で成立するのです。
決して表立って活躍する3人の活躍だけではなく裏方も見事な一致団結で暴走事故を止めました。
ガルビン運行部長がコニーの意見を退けた理由
さて、そのような活躍の裏でもう1つには鉄道会社の上層部と下っ端の現場とで衝突がありました。
その代表例が777号の追跡を行おうとするコニーの意見を退けるガルビン運行部長です。
彼は何故コニーの意見を退けて妨害しようとしたのでしょうか?