白の女王も本当のことが言えず、赤の女王も世界を崩壊させてしまうところでした。
しかし、危機を脱した白の女王は姉である赤の女王に謝り「愛している」と告げます。
過去を変えるのではなく、過去の失敗を詫びたことで二人の関係が元に戻りました。
そう、成長により未来が変わったのです。
マッドハッター
一人ぼっちだと思っていたハッターは父親が自分を認めてくれなかったと思っていました。
しかし過去の出来事を知って家族を救い出します。
父の思いを知って家族の絆を取り戻すことができたのです。
これも成長ということでしょう。
アリス
アンダーランドを壊しかけながらギリギリで救ったアリスはこの事で大きく成長しました。
そして、今まで自分のやりたいことだけを主張して「船を売らない」と言っていたことが間違いだと気付きます。
船には替えがあるけど母親は一人だけです。
母が困っているならば『船』などどうでもよいことでした。
きっと父親ならそうすると悟ったのかもしれません。
大事なのはこれからどう未来を作っていくかということです。
過去の冒険はすでにただの『経験』だと気付くことができたのでしょう。
そしてその覚悟が母にも伝わり書類の破棄に繋がったのです。
ちなみにラストシーンで『キングスレー貿易社』が設立された場所は、周りの看板から見て『中国』のようです。
アリスたちはイギリスから飛び出して『世界』をまたにかける貿易商になっていくという未来が見えるようですね。
アリスワールドを支えるキャスト達
バートンの作品には共通した俳優陣が多く出演しています。
前作に続き本作でも『マッドハッター』を演じたジョニー・デップ。
彼無くしてはアリスワールドは成立しません。
『赤の女王』を演じたヘレナ・ボナム・カーターは私生活でのパートナーとしてもバートンを支えていました。
『アリス・キングスレー』はミア・ワシコウスカの続投です。
そして時間の旅にアリスを誘ったアブソレムの素敵な声を担当したのはアラン・リックマンでした。
本作で『タイム』を演じたサシャ・バロン・コーエンもイギリスで人気のコメディアンです。
原作にはないキャラクターを見事に演じ、『時間の番人』としての存在感を映画に与えていました。
『白の女王』を演じたアン・ハサウェイもファンタジックな作品でプリンセス役などが多く、気品と美しさを作品に添えています。
まさに適材適所の見事な配役でしたね。