そんな彼から恋人を逃がすためには警察の力が必要だとエリーズは考えました。
ショーの存在
ショーは恐ろしい男です。
ショーを出し抜くためにはある程度の危険も覚悟していたのでしょう。
自分を監視する警察が合法的にショーを始末してくれるまでは耐え抜く覚悟でしたが、フランクの方が耐えられなくなりました。
ショーに詰め寄られるピアーズを必死でフランクだと言い張るエリーズ。
この時点では殺されることを覚悟しています。
ピアーズの周到な計画とは
警察内部に内通者がいてショーまで追ってくることは最初の計画には無かったことです。
しかしどんな状況でもお互いが自分より相手を助けたいと願っているのがひしひしと伝わってきます。
ここがこの映画が『美しい』と感じてしまうポイントです。
死ぬかもしれない覚悟をした時エリーズはフランクに愛していることを伝えました。
これは『フランクになったアレクサンダーも愛している』という意思表示です。
アレクサンダー・ピアーズはエリーズに許されたということでしょう。
きっとこのシーンでエリーズは『なぜもっと早く警察が介入してこないのか』と思っているはずです。
同僚であるジョン・アチソンを信じていたのでしょう。
しかし彼がエリーズに寄せる信頼は別の判断をさせてしまいます。
アチソンは『エリーズなら自分で何とかするはずだ』と考えているのです。
彼にとっては裏切り者のエリーズの命よりピアーズ逮捕の方が大切なのでしょう。
今後の二人を深読み
ピアーズの逮捕に積極的でなかったジョーンズ主任警部の判断によって命を救われたピアーズとエリーズ。
彼の発言から『納税さえすればもう追わない』という意思を読み取り小切手を残して姿を消します。
おそらくフランクの当初計画ではエリーズがピアーズと別れたと警察に思い込ませることだけでした。
しかしそこにショーが絡んだことに因って危険な計画へと変わってしまいました。
彼らが納税したのは『もう追わないでくれ』という意思表示とジョーンズに対するお礼の気持ちなのだと推察できます。
全ての厄介ごとから解放された二人。
二人は別天地へと旅立つのです。
アメリカかもしれませんし全く別の国かもしれません。
ショーから奪った金はまだ山ほど残っていますから世界中を旅してまわるというのもアリですね。
おそらく二人は結婚せず恋人のまま甘い生活をおくるのでしょう。
幸せな気分で観終わることができる素敵な映画ですね。