そして、クローリー家への最大の忠誠心を示す機会でもありました。
使用人たちの逆襲作戦が与えた影響とは
使用人たちの絆
現代社会には「働き方改革」という動きがありますが、貴族たちに仕える使用人にはさまざまな面倒なルールがあります。
しかし、その場にいる人間で尽くせるやり方を考えた時には、自分の役割を越えて助け合う仲間同士の団結力が大切になるのです。
国王訪問はクローリー家の使用人たちににとって、お互いを助け合うチームワークをさらに強める好機になったでしょう。
メアリーがダウントン・アビー存続に消極的であった時のアンナの言葉には、クローリー家への更なる忠義が込められていました。
あなたは私たちの核なんです。この村のこの地方の…ダウントンは社会の中心、あなたが支えているんです。
命ある限りは…
引用:劇場版ダウントン・アビー/配給会社:ユニバーサルフィルム
使用人たちへの影響
使用人一人一人にもさまざまなことがありました。
- 元下僕のモールズリーの失態でパットンモア夫人の料理の腕を褒められたこと。
- 料理人助手のデイジーは下僕のアンディとの結婚に踏み切れ幸せを実感できたこと。
- 王室付の衣装係エリスがクローリー家に同情し逆襲を手助けしてくれたことは、バローの理解されない孤独からすくいました。
王室使用人への逆襲はクローリー家使用人の、個々の人生へも弾みをつけることができたのです。
カーソンの言葉の意味
怒涛の国王夫妻の訪問一大イベントが終了し、カーソンとヒューズ夫妻がダウトンを出た時の会話に込められた真意について考察します。
カーソンは使用人のルールを破りダウントンの表玄関から外へ出ました。
すでに王室のルールを破ったカーソンにとっては、そのくらいのことでダウントンは変わらないし逆に変化しながら存続すると感じたのでしょう。
100年後もダウントンは建っているし、クローリー家もここに住んでいる…それは絶対だ
引用:劇場版ダウントン・アビー/配給会社:ユニバーサルフィルム
それは国王訪問の一大事をクローリー家の人々と使用人の団結で乗り越えたことが、100年後も安泰であることを信じて疑わなかったのです。
「ダウントン・アビー」の未来
ロケ地に使われたダウントンの大邸宅の本当の名前は「ハイクレア城」と言って、今も8代目のカナーヴォン伯爵夫妻が暮らしています。
劇中のセリフとは言えカーソンの言う通りこの城には代々城主を変えながらも、貴族が住み続けている希少な城なのです。
城の維持管理には莫大な費用が掛かることは、映画の中でも語られていました。
今の城主もハイクレア城を維持することに威信をかけていて、映画のロケ地に選ばれたことでその責任の一端をなせたと言います。
今後、ダウントン・アビーの続編が制作されるならば、100年後の2027年にはダウントンの子孫に会えるかもしれません。