このシーンがあるからこそオカルト現象が決してまやかしではないと気付きます。
正に百聞は一見にしかず、事実は決して疑うことなく自分の体で確かめるしかないのです。
そうした様々な実体験に根拠があることが正常という判断に説得力を持たせています。
増築している理由
サラはこのアメリカで最も呪われた家として有名なこの屋敷を24時間265日増築するように指示します。
そのせいか屋敷内はわけの分からない変なギミックが沢山設けられるようになりました。
果たして何故そこまでして増築し続けないといけないのでしょうか?
霊たちの解放
サラが増築を不眠不休で続けさせた最大の理由は霊たちの解放にありました。
彼女は建築責任者のジョンを呼び出して次のように語っています。
深い反省を示して霊の悲しみと怒りから解放する
引用:ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷/配給会社:REGENTS
そう、サラが増築を続ける一番の目的は霊たちの遺恨を残さないようにすることでした。
恐らくこの価値基準は現代では理解しがたいもので、今だと霊媒師に除霊を頼むでしょう。
その除霊をしないで霊たちが一緒に居られるスペースを設けたのは面白い発想です。
霊を決して粗末にせずちゃんと一つの人格として見ていることが窺えます。
13本の釘
とはいえ、サラは全ての霊を受け入れている訳ではなく、次のような条件もつけています。
好意的でない霊は13本の釘で封じ込める
引用:ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷/配給会社:REGENTS
即ちウィンチェスター銃で殺された人達の成仏出来ない霊をそこに封じて供養したかったのです。
何故13なのかというとサラの解釈では13は輪廻転生を意味する神聖な数字だからだとのこと。
彼女は彼女なりに悪霊への対処法を弁えて実践しようとしていたことが窺えます。
現代だとこんなのは半可通のやることとして却下されますが、当時だからこそ出来たのでしょう。
マリオンとヘンリーを守るため
そして三つ目に身内のマリオンとヘンリーをそうした悪霊たちから守るためでした。
サラは自分の為だけだったらこんな意味のない金と時間と材料だけがかかる増築をしません。
何よりも自分が心から愛している家族達を守るためにこそ増築し続けるのです。
しかしそんな彼女でもヘンリーが亡霊に乗っ取られるのを阻止できなかった現実があります。
どんなに気をつけていてもこのようなリスクがゼロになることはありません。
しかし限りなくゼロに近づけることは出来、愛すべき家族のためにこんな途方もない努力をしたのです。
人間どんなつまらないことでも他者のことを思えば本気になれるのだということを示しました。
屋敷のギミックと登場人物の共通点
さて、ここからウィンチェスターハウスのギミックと登場人物の共通点を分解していきます。
霊たちを解放するために作られたといわれるおかしな作りの屋敷はどのような作りなのでしょうか?
またここに集まった4人には何が共通していたのでしょうか?
特殊なギミック
この屋敷には特殊なギミックが様々ありますが、中でも特筆すべきは3つのエレベーターと突き当たる階段です。
3つのエレベーターはサラが深刻な関節痛で階段を上るのがきつかったからという納得の行くものでした。
そして突き当たる階段はどう考えても無意味なものであり、このようなヘンテコなものまであったのです。