出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B00VQVX34W/?tag=cinema-notes-22
2013年公開の『アバウト・タイム~愛おしい時間について~』はタイムトラベルというSF要素を取り込みながら、主軸は人の愛となっています。
現実には限られている時間ですが、誰もが一度は人生をやり直したいと思うものです。
能力を持ちながらも、ドーナル・グリーソン演じる主人公ティムが過去に戻らないと決めた理由とは一体何なのでしょう。
また結婚式で父が語った言葉…、その言葉に秘めた想いを考察していきます。
過去に戻らないと決めた理由
ティムが過去に戻らないと決心したのは、ひとつの理由からではありません。
幾つかの出来事が彼に最終決断をさせたのです。
それは人生を歩み、経験を重ねた結果の答えでした。
人の心は変えられないから
タイムトラベルという切り札を手に入れた当初のティムは、当然のことながらその能力を使います。
現実にはあり得ないことですが、観る者は自分だったら…と考えてしまうのではないでしょうか。
シャーロットと恋を成就させようとして、痛い目を見たティムはタイムトラベルで人の心は変えられないことを学んでいます。
冒頭に出てくるこのシーンは、彼が過去に戻らないと決めた大きな理由のひとつでもあります。
大切なものを失うことになるから
タイムトラベルを通して、ティムはレイチェル・マクアダムス演じるメアリーとの出会いを失いました。
また劇中では最愛の娘ポージーが消えるという、衝撃の経験もしています。
人生は様々に交差し、自分が気づかない所で大切な出会いが生まれているものです。
過去にタイムトラベルをするということは、それらの大切な出会いをリセットしてしまうことに繋がるのでしょう。
人は生きて時間を重ねていくほど、失いたくないものも増えていくものです。
過去の父との時間に終止符を打ったのも、生まれてくる子供を失いたくないという想いからでした。
タイムトラベルは一見すると人生に都合のいい能力ですが、失うものもある諸刃の剣ともいえますね。
一日を幸せに過ごすことが出来るようになった
ティムが過去に戻らないと決めた大きな理由は、今の自分に満足出来たからではないでしょうか。