ここで気になるのが、同じ内部調査に携わるものとしてなぜ情報が共有されなかったのかという点です。

事前に情報を共有できていればジェニファーが無駄にヴィンセントの足を引っ張ることはありませんでした。

しかし、ヴィンセントの目的はどこに潜んでいるかわからない警察内部の闇を見つけ出すことです。

内務省であってもマフィアと繋がっている疑惑はぬぐえません。

自分が調査官であるとバレた瞬間内通者に情報が回り、2年間の潜入調査は水の泡となるのです。

情報を持ってくるのは相棒

相棒

コカイン強奪の話を持ってきたのは、ヴィンセントの相棒ショーン・キャス(T.I)です。

強奪現場に第三者が介入してきたのは彼の情報が不明瞭だったからでした。

情報の不鮮明さは、ショーンがマフィアと直接連絡を取っていないことをヴィンセントに気づかせます。

間に入っている人間は警察内部の誰なのか、その真相を掴むまで彼の潜入捜査は終わらないのです。

ルビーノからノヴァクへ

コカインは元々、カジノマフィアであるルビーノからマフィアの大本であるノヴァクに渡されるものでした。

別件で25キロのコカインを盗まれていたノヴァクは、ルビーノに同量のコカインの取引を持ち掛けます。

1度失ったコカインを再度用意するわけですから、ノヴァクは元より好意的に取引をしようとしているわけではありません。

失敗に対する落とし前としてルビーノからコカインを購入しようとしていたのです。

しかし、ヴィンセントとショーンによる強奪事件により、新たな取引にもケチが付き始めます。

また、そんな大物たちの取引事情を知っていれば彼らもコカイン強奪事件を起こさなかったことが推測できます。

息子が誘拐されて慌てる2人の姿は、彼らの行動が間違っていたことも示唆しているのでしょう。

25キロのコカインに浮かれていたショーンでさえ、手に入れたコカインをすぐにヴィンセントに渡します。

このことからも、ショーンがヴィンセントを貶めようとした線は消え、彼の後ろにもう一人マフィアと繋がる人間がいることが分かります。

ダグがショーンを殺した理由

地下駐車場でショーンに話しかけたダグは、ジェニファーに気づかれないようにショーンを殺します。

口と首を塞ぐ形で押さえて窒息死させますが、胸元を撃たれているショーンは傍目には銃で撃たれて死んだと受け取られるでしょう。

ジェニファーはマフィアの死体を確認した後警察本部に電話をかけていました。

ショーンの体をダグに任せていたため、彼女はショーンを殺した犯人はマフィアだと思い込みます。

自分に不利な状況を作り出したショーンを消すことは、ダグ自身の正体を隠すための手段だったのです。

ダグの正体

ジェニファーの暴走的な捜査を抑制していたダグは、実はショーンと繋がっていました。

ダグはノヴァクと繋がりのある汚職捜査官だったのです。

カジノに乗り込んだジェニファーやヴィンセントの行動はダグにとって予想外の事態でした。

ヴィンセントが奪ったコカインは元々ノヴァクの手に渡るはずのものです。

ジェニファーがトイレから持ち去って隠したことで、刑事という立場のダグも落とし前を求められます。

ダグはノヴァクの指示により、ヴィンセントを殺しコカインをノヴァクの元に届ける目的で行動していたのです。

保身のため裏社会のために動く

裏社会の男たち 第二章

ダグはショーンの殺害後、何食わぬ顔で捜査を続けます。

ルビーノを逮捕後は護送車に同乗し彼とジェニファーの動向を見守ります。

この時の注目ポイントは護送車の中でのダグの乗車位置です。

ジェニファーがサイドシートに座り、ダグは後部座席でルビーノの隣に座ります。

力のあるダグがルビーノの隣に座るのは必然ともとらえられますが、事前にルビーノを発砲理由として利用しようとしたと考えられます。

ジェニファーがダグの正体を知ったと判断した後、彼は素早くジェニファーとルビーノを撃ちました。