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こういった格差や公害が人々の不満を買い、反政府運動が盛んにおこなわれている要因ではないでしょうか。
ネオ東京の街を彩る完成度の高い劇伴
『AKIRA』の劇伴音楽は映画のBGMにとどまらない完成度と作品性で高く評価されています。
オリエンタルな打楽器を中心に使用することで時代性が限定されず、サイバーパンク作品にマッチしているといえるでしょう。
また、盆踊りのようなモチーフを掛け合わせることで、舞台が日本であることを意識づける音楽になっていると考えられます。
大きすぎる力は身を滅ぼす
『AKIRA』の中で鉄雄は自分の力を過信し、制御できない大きな力に飲み込まれてしまいました。
また、直接描かれていないものの、アキラも自ら力の暴走によって大きな爆発を起こしたとみられます。
さらに、ナンバーズの3人も自らの能力の暴走を抑え込む薬の副作用で子供のまま歳を取った見た目となっていました。
したがって科学的な能力によって無理矢理引き出された超能力は人類の手に余る大きな力であるといえるでしょう。
これは核兵器という大きな力を映画内で「アキラ」や「超能力」に置き換えて描いていると考察できます。
『AKIRA』連載時は冷戦の最中であり、社会情勢やメッセージ性を取り入れている点も各所で評価されている理由ではないでしょうか。
目覚めは始まっている
もう始まっている。
引用:AKIRA/配給会社 東宝
『AKIRA』はこの印象的ですが謎の多いメッセージで幕を閉じます。
このセリフの意味についても考察していきたいと思います。
全生物の中に宇宙のエネルギーが眠っている
ベビールームにて大佐たちに拘束され、牢屋に幽閉された金田とケイの会話にヒントが隠されていると考えられます。
牢屋内ではこれまでの生物の進化や宇宙の流れとそのエネルギーについてケイが考察していました。
その中で無生物から生物が生まれる際に宇宙のエネルギーが遺伝子やその姿に秘められているのではないかと触れています。
また、アキラの暴走した能力はまるで小さなブラックホールやビックバンを連想させるような力でありました。
したがってナンバーズのもつ超能力は生物が宇宙から受け継いだエネルギーによるものと考えることはできないでしょうか。
すなわち、生きとし生けるものすべてに宇宙のエネルギーが宿っているのです。
過去最高の力を持つアキラと鉄雄の激突により、どこかで眠っているエネルギーが目覚めてもおかしくありません。
目覚めは金田に受け継がれたのでないか
鉄雄はナンバーズであるたかしの能力に触れることで超能力が開花しました。
したがって鉄雄の力の暴走とアキラの力に巻き込まれた金田に超能力が受け継がれているのではと考えられます。
