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【そらのレストラン】大谷の死が仲間にもたらした影響を考察!「俺のチーズは作れない」の真意は?神戸が羊を食べた意味とは

出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B07TZ9BJ21/?tag=cinema-notes-22

映画『そらのレストラン』は2019年公開の『しあわせのパン』『ぶどうのなみだ』と並ぶ大泉洋主演の北海道企画作品です。

監督は深川栄洋でせたな町を舞台にチーズ工房を経営する酪農家が仲間たちと一日限りのレストランを開業するまでを描いています。

自然をバックに牧歌的な作風の下作られた本作は非常に温かい作風で、完成度の高さが以下の評価に繋がりました。

2019年のアメリカのソノマ国際映画祭にて、日本映画としては初となる外国映画最優秀審査員賞を受賞した。

引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/そらのレストラン

本稿では主人公・亘理の師匠・大谷の死が仲間にもたらした影響をネタバレ込みで考察していきましょう。

また「俺のチーズは作れない」の真意や神戸が羊を食べた意味なども併せて読み解いていきます。

守破離の物語

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考察していく前提として、本作は守破離でいう「離」の段階にある物語であることを意識する必要があります。

即ち真の価値は『しあわせのパン』『ぶどうのなみだ』の北海道企画作品二作を見て初めて分かるということです。

『しあわせのパン』は徹底的に「守った」作品として「食を通して一人一人が”幸せ”を考える」が提示されます。

二作目の『ぶどうのなみだ』はその基本を継承しつつ殻を「破って」成長しオリジナルのワインを生み出す物語です。

前二作を継承した本作は大泉洋≒設楽亘理が仲間たちと繋がりつつ、大谷師匠から「離れる」集大成の一作になっています。

その集大成の一作であることを念頭に置いて本稿の考察に取りかかって参りましょう。

大谷の死が仲間にもたらした影響

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本作の核を成しているのは亘理と大谷のチーズ作りに命を賭ける二人の師弟関係でした。

仲間や家族も含め人間関係と環境に恵まれた亘理でしたが中盤に大谷は何と死去してしまいます。

ここでは彼の死が亘理と愉快な仲間たちに与えた影響を考察していきましょう。

亘理の絶望と自立

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まず一つ目に挙げられるのが愛弟子の亘理の絶望と自立ではないでしょうか。

それまでずっと大谷の背中を追いかけてばかりだった亘理が師の喪失という絶望へ追い込まれたのです。

仲間たちや家族もその落ち込んだ彼を必死に励まそうとしますが逆効果で牧場を畳むとまで口にします。

しかし大谷の死がかえって亘理を一人前のチーズ工房として自立することを促したのではないでしょうか。

人間逆境に追い込まれれば否が応でも頑張らざるを得ず、亘理は漸く自分が目指すべきチーズが見えます。

まず亘理が頭一つ抜けたチーズ工房へと跳ね上がる為の必要不可欠なステップになっているのです。

仲間たちとより強まる絆

絆。

しかし亘理の自立は決して彼一人だけで立ち直れたわけではなく仲間たちの支えがありました。

特に大谷を命の恩人とする石村や東京からやって来た神戸の存在は亘理の心を動かしています。

そして何より同級生の富永の粋な計らいで亘理は大谷の工房から年季の入った特製のチーズを手に出来たのです。

一人だったら挫けていたであろう亘理を仲間たちが一所懸命に支えてくれたからこそ立ち直れました。

普段から亘理が家族や仲間たちへ愛を惜しみなく与えていた亘理に今度は仲間たちや家族の支えが戻ってきます。

ここで以前より仲間たちと亘理の絆がより強まって作品全体を引き締めているのです。

陰極まって陽生ず

秘説 陰陽道

一番の影響はラストシーンの一日限定レストランのカタルシスに集約されています。

このラストシーンが感動的なのは何よりも大谷の死という深い絶望を乗り越えたからこそです。