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【シン・ゴジラ】庵野監督のエヴァンゲリオンとの共通点を考察!それぞれの形態からみるゴジラの目的とは?ラストの尻尾は何?

SF

出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B01MXXRMBQ/cinema-notes-22

2016年に公開され日本映画界に衝撃を与えた『シン・ゴジラ』

公開されるや一大ムーブメントを巻き起こし、社会現象にまでなりました。

本作の監督は樋口真嗣、総監督は庵野秀明

庵野監督はアニメにおけるバイブルともいえる「新世紀エヴァンゲリオン」を作った人物です。

新世紀エヴァンゲリオンも謎に包まれた作品で、いまなおファンによる考察がなされています。

深遠な謎を提示する庵野監督の作風は本作でも遺憾なく発揮されています。

エヴァンゲリオンをヒントに、『シン・ゴジラ』の謎に迫ってみましょう。

新世紀エヴァンゲリオンとは?

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庵野秀明監督といえば新世紀エヴァンゲリオンといっても過言ではないでしょう。

「新世紀エヴァンゲリオン」は1995年に放送されたTVアニメシリーズから始まり、今も続編映画が作られている作品です。

主人公である少年・碇シンジが暮らす第3新東京市に、謎の巨大な生物が襲来するところから物語は始まります。

そうです、シン・ゴジラと同じ状況なんですね。

また、庵野監督は「巨神兵東京に現わる」という特撮短編映画も作っています。

これは風の谷のナウシカの巨神兵の特撮映画で、こちらも謎の巨大な生物が襲来するという物語です。

エヴァンゲリオンとの共通点は?

シン・ゴジラポスターマグネット ([バラエティ])
シン・ゴジラとエヴァンゲリオンの共通点を詳しくみていきましょう。

謎の巨大生物が日本に襲来する

 LMHG 第3使徒・サキエル エヴァンゲリオンシリーズ

エヴァンゲリオンでは謎の敵「使徒」が第3新東京市に何度も襲来してきます。

シン・ゴジラでは「巨大不明生物」つまりゴジラが東京を蹂躙します。

使徒とゴジラ、両者とも人知を超えた生命体が目的を持って東京へ向かうことが共通しています。

神に近いものと戦う

新世紀エヴァンゲリオンの使徒にはそれぞれ天使の名前がついています。

使徒は永遠に近い生命を持ち、さまざまな形態があり、人類を滅ぼそうとします。

対するゴジラの英語の名称は「Godzilla」。名前に神の名を冠しています。

劇中でも神の化身を意味する言葉として説明されていました。

通常の破壊兵器では駆除できない

新世紀エヴァンゲリオンの使徒は通常の物理攻撃では致命傷を与えることができません

汎用人型決戦兵器エヴァンゲリオンでしか倒すことができないのです。

対するゴジラも同じです。自衛隊の総力をもってしても駆逐できず、米国の最新鋭機器でも殲滅できませんでした。

熱核攻撃を実行していたとしても、ゴジラを破壊できたかは定かではありません。

体内に原子炉を持っているゴジラは核融合に耐えうる身体構造をしているということなので、破壊は不可能だったのではないでしょうか。

体内で独自にエネルギーを生み出す

なぜ使徒が通常の攻撃では破壊できないのかというと、「S2機関」を持っているからです。

S2機関とは簡単にいうと永久機関のようなものです。S2機関があることで、使徒は身体が損傷しても修復することができます。

そして永久機関を有しているということは、永遠に近い時間活動を継続できるということです。

対するゴジラも、体内に原子炉を持っており莫大なエネルギーを自ら作り出すことができます。

ゴジラがもし体内で安定した核融合を起こせれば、永久機関を手に入れたということと同義です。

強靭な身体と生命力

使徒が通常兵器では殺せないもう一つの理由として、「A.T.フィールド」があります。

A.T.フィールドとは「Absolute Terror FIELD(絶対恐怖領域)」、絶対不可侵領域という意味です。簡単にいうと強力なバリアのようなものですね。

対するゴジラも、非常に強固な外皮を有しており、ミサイルが何百発命中しようと傷一つつけることができませんでした。

天使に挑む人間

新世紀エヴァンゲリオンでは、圧倒的な力を持つ使徒に対し人間が科学の力で対抗していきます。

人間の持つ知恵と心で使徒を倒そうとするのです。

シン・ゴジラでも同じでしたね。

日本の政府機関・研究機関・自衛隊、そして世界が一丸となって神の化身ゴジラに向かっていきます。

どんなに理不尽な力を前にしても、諦めずに力を尽くして生きようとする人間が戦う物語

新世紀エヴァンゲリオンとシン・ゴジラにはこのような共通点があるのです。

ゴジラの形態変化、その目的

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目的を考察する前に、形態についておさらいしましょう。

【第0形態】
古代海底生物。放射性廃棄物が投棄された海域に生息していた。生存のため放射性物質に耐性を持つ生物へと急速進化。

【第1形態】
東京湾で最初に目撃された。尻尾と背びれのみ視認できたが全体像は不明。おそらくこの時点では水生生物だったと思われる。

【第2形態】
蒲田に上陸したゴジラ。巨大なエラから赤い体液を吐き出し蛇行して移動、補助的に歩行を行う。肺魚、つまり両生類的な特徴を持つ魚のような形状。

【第3形態】
手が生えて立ち上がったゴジラ。爬虫類のような形態。体内原子炉の冷却機関が万全ではなく、海へ一度帰り身体を冷やす必要があった。

【第4形態】
巨大な体躯と黒い外皮、歩行するゴジラ。火炎と光線を放射する。ヤシオリ作戦によって活動停止させられる。進化の過程を踏まえるなら哺乳類かもしれない。

【第5形態】
活動停止したゴジラの尻尾から分離しようとしていた。第4形態の次の進化形。小型・群体・人型。

ゴジラの目的とは

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形態は変化しましたが、どの形態のゴジラでも行動は一貫しています。ゴジラがとった行動はただひとつ、ひたすらに東京へ向かうことでした。

なぜゴジラは東京へ向かうのでしょうか。

この答えは、映画の中では明らかにされていません。

ですが、示唆はされています。

シン・ゴジラ劇中での情報と、エヴァンゲリオンの情報を合わせると、ある仮説を立てることができます。

なぜゴジラは生まれた?

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そもそもゴジラは、元を辿ればただの海洋生物でした。放射性物質を取り込む生態へと変化した生物というだけです。

その海洋生物がなぜ突然巨大化し、数日で急速に進化したのでしょうか。

結論から先に言うと、米国で研究されていた海洋生物と牧博士は何らかの方法で融合を果たしたと考えられます。

ゴジラの完全な肉体に人間の知恵と魂が宿ったことで、神に等しい完全生物となりました。

完全生物となったシン(真)・ゴジラは、人類を滅ぼすという意思を持って東京へ向かったのです。

そう考えられる根拠は新世紀エヴァンゲリオンにあります。どういうことか説明していきましょう。

「知恵の実」と「生命の実」

新世紀エヴァンゲリオンでは、キリスト教の聖書になぞらえた設定がストーリーの重要なファクターになっていました。

聖書では知恵の実を食べたエヴァとアダムはエデンの園を追放されました。

なぜ追放されたかというと、もう一つの生命の実を食べてしまうと神と等しいものになってしまうからです。

エヴァンゲリオンに隠されたヒント

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新世紀エヴァンゲリオンは聖書をモチーフとして扱っています。モチーフなので、もちろん大幅にアレンジしてあります。

新世紀エヴァンゲリオンは聖書の外典や神話、心理学なども絡んだ複雑なストーリーなのでここでは詳述することができません。

新世紀エヴァンゲリオンを構成する設定のうち、シン・ゴジラに関連のある部分を抜き出し、極端にシンプルにまとめてしまうと、以下のようになります。

  • 人間は「知恵の実」を持ち、使徒は「生命の実」を持っている。
  • 「知恵の実」をもつ者と「生命の実」をもつ者とが融合すると、神になる。
  • 地球という星を支配できるのはひとつの種族だけ。生き残る種族を決める戦いである。

この設定をシン・ゴジラに当てはめてみると、使徒がゴジラに変わっただけで、物語の説明がつきます。

真・ゴジラは牧博士の意思に従い、東京を滅ぼそうとします。その目的を果たしたあとは、生存本能に従って生命の頂点に立とうとするのです。

もし矢口たち人類が負けていたら、ゴジラは進化を続け人類を殲滅し、地球の支配者になっていたでしょう。

ラストの尻尾は、地球の支配者になるはずだった

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以上の考察から考えられるのは、映画のラストで映されたゴジラの尻尾は、より神に近づいた完全生物、シン(神)・ゴジラを表していたのではないでしょうか。

聖書では、神は自分の姿をかたどって人を作りました。そしてその者に万物を支配させようとしたのです。

現在、地球上で繁栄し地上を支配しているように見えるのは人間です。人間の形は現時点での進化の到達点といえるのかもしれません。

つまり、神にいちばん近いのが人間だとするなら、シン・ゴジラの最終形態は人間に近い形になるはずです。

そして作中では進化の末に飛翔するかもしれないと言われていました。

翼のある人間の形をしたもの……。つまり、天使のような形状を有するのが、シン/真/神なるゴジラの姿なのかもしれません。

ちなみに上の画像は「巨神兵東京に現わる」で出てきた巨神兵の姿です。どうでしょう、この考察のシンなるゴジラの姿と重なりませんか。

新・ゴジラが描くもの

「シン・ゴジラ」をどう観るか

今回は新世紀エヴァンゲリオンとの共通点を中心に考察してきました。しかしシン・ゴジラはさまざまな観点から考察ができる作品です。

今回は触れませんでしたが、詩集「春と修羅」から読み取れる牧博士の心情や、自衛隊や官庁の迎撃フロー、震災や災害との関連など、語るべきことが数多くあります。

魅力的な謎に包まれた作品を生み出し、社会現象を巻き起こす庵野秀明監督の手腕は、アニメ界だけでなく邦画界でも発揮されました。

新たなゴジラが日本でこれだけ受け入れられたのは、ひとえにシン・ゴジラが「希望」を描いているからでしょう。

進化への希望、人間への希望、未来への希望。その希望は、災害大国ニッポンに生きる我々に必要なものです。

巨大な理不尽に襲いかかられ、問題を抱えながらも、我々は生きていける、みんなで生きていこうという強い思いをこの作品は伝えてくれます。

庵野秀明監督の『シン・ゴジラ』は『新世紀エヴァンゲリオン』につづき、またしても歴史に爪痕を残す傑作となりました。