この連弾のシーンはジンテとガユルが障害者というどん底から逆転するきっかけとなったのです。

それと同時に物語はここから本格的に動き出すことになりました。

母がジンテを溺愛した理由

「溺愛理論」27のルール どうしようもなく愛される女になる

ガユルの魂を動かし人生を好転させたジンテですが、彼は母インスクの溺愛を受けてきました。

彼女は死に際までジンテのみを溺愛しジョハに辛辣な態度を取り続ける典型的な毒親です。

ここでは愛玩子としてインスクがジョハを溺愛し続けた理由を読み解いていきます。

サヴァン症候群

なぜかれらは天才的能力を示すのか―サヴァン症候群の驚異

一つ目はジンテがサヴァン症候群という障害持ちだからです。

サヴァン症候群とは自閉症のような障害を抱えながら特定の分野で才能を発揮する人のことです。

とはいえ本気で愛していたのではなくあくまでも意のままに操りたかったのではないでしょうか。

そうでなければ愛玩子と搾取子という形でジョハとジンテを差別などしなかったはずです。

そしてその結果がジンテを障害者か否かに関係なく社会に溶け込めない子にしてしまいました。

もしジンテがこのような過干渉を受けなければもっとのびのびと育っていたことでしょう。

亭主の抑圧からの反動

反動のレトリック: 逆転・無益・危険性 (叢書・ウニベルシタス)

そして母がこのような毒親になり果てた原因の一つには亭主の抑圧からの反動がありました。

このことはジョハが服役中の身ながら全く反省のない父とのやり取りで窺えます。

愛玩子ジンテと搾取子ジョハを作りそれを死ぬまで繰り返したことは勿論正当化出来ません。

もし父がもっとまともな人間であれば多少なりとも違っていたでしょう。

そういう意味では完全な同情こそ出来ないものの、母もまた被害者だったのではないでしょうか。

しかしその毒親化を納得させる一つの背景となっていたのは事実です。

白雪姫コンプレックス

新版 白雪姫コンプレックス―コロサレヤ・チャイルドの心の中は…

劇中では描かれていませんが、インスクは重度の白雪姫コンプレックスであった可能性もあります。

白雪姫コンプレックスとは子供の時に虐待された母が今度は自分の息子娘に同様の虐待を行う症候です。

きっとインスクも両親から愛されず虐待ばかりを受けてセルフイメージの低い人生を送ってきたのでしょう。

そしてその自己肯定感の低さが服役中の父のようなダメ男を引き寄せ、息子達を社会不適合者にしました。

そう考えれば彼女が死に際になって漸くジョハに懺悔した意味も分かろうというものです。

しかしそのような人生を送ってきた代償は大きく、ジョハをはじめ誰も彼女の死を悼んだ者は居ません。

一人の障害者ばかりを溺愛し続けた憐れな毒親の末路といってもいいのではないでしょうか。

ラストに手を繋いだ意味

てをつなぐ

そしてラストシーンではジョハがジンテの手を取って歩き始めるカットで締めくくります。

まるで違う生き方をした二人でしたがここに来て二人の道が重なったようです。

果たしてなぜジョハはジンテの手を取って歩き始めたのか、その意味を見ていきましょう。

兄弟の絆の再生

経験の危機を生きる―応答の絆の再生へ (シリーズ 現代批判の哲学)

まず一つ目にはずっと離れ離れになっていた兄弟の絆の再生がここに描かれているのではないでしょうか。

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