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「レ・ミゼラブル」は1862年にヴィクトル・ユーゴーが書いた小説です。
1980年代にその小説を原作としたミュージカルが上演され記録的ロングランとなりました。
そのミュージカルをもとにした映画が、2012年に公開された「レ・ミゼラブル」です。
フランス革命後の混沌とした時代を通して、現代を生きる我々に生き抜くための心得を教えてくれます。
登場人物が体現しているものは何か、名作「レ・ミゼラブル」を徹底解説していきます。
生き抜くためにすべきこと
この映画には西洋の文化が大きく反映されています。
神の愛は現代日本人にとってピンとこないテーマかもしれません。
他人を許せる人間になること
映画の冒頭でジャン・バルジャンは司教によって許しをもらいます。
このことが映画全体のメインテーマになっているのではないでしょうか。
現代の日本を見ると、メディアは人を中傷することで人気を集めているのが現状です。
学校、職場では道から外れた人を攻撃し排除しようとします。
「許さない」「許せない」という言葉は、とても醜く悲痛なものです。
劇中では神の許しとして描かれていますが、人が人を許すことはお互いが幸せになる近道ではないでしょうか。
世間にどう思われようと愛を失わないこと
ジャン・バルジャンは愛の為に投獄され、正義という愛の為に追われることになりました。
犯罪者として認識される彼ですが、彼は決して悪人ではありません。
どんな環境にいても、愛を失ってはいけないのです。
宿敵であるジャベールさえも大きな愛で救い出しました。
尖った生き方は、相手の棘も引き寄せます。
人を愛するということは、自分が愛される人間になるということに繋がっていくのです。
いじけた生き方をしないこと
劇中には悲惨な人生といえる登場人物が多数登場しています。
彼らはそれぞれの人生の中で苦しみ、自分を見失う時もありました。
しかし孤独に生まれたコゼットは、花が咲くような明るい少女に育ちます。
彼女は自分の人生に対していじけるような生き方をしなかったからです。
もし、彼女が「自分なんて……」「どうせ」という考えで生きてきたら、物語は変わっていたでしょう。
不幸な人生のようですが、彼女は愛を与えることも受け取ることも知っている幸せな少女です。
ジャン・バルジャンが示すもの
ヒュー・ジャックマン演じるジャン・バルジャンは、冒頭では怒りに身を委ねる人物でした。
彼が変化したのはなぜでしょう。そして、彼が体現しているものとは……。
愛されることを知った
当初彼は牢獄で絶望と憎悪に染まりきり、社会に復讐しようとしていました。
人に愛されるということを知らなかったのです。
これは現代でも問題になっていることですが、自分が愛されているという経験がない人は善悪の判断がしにくいのだそうです。
ジャン・バルジャンは、まさに愛を知らない人物だったといえます。