呪われた人生を抜け出す大きな一歩だったといえるでしょう。
もしかしたら…という思い
かつて、 アビーの事故を目撃したロドリゴは、ディランを見た時にもしかして…、という思いがよぎったのかもしれません。
同じ場所で、同じように落ち込む彼女はあの時の子供かもしれない、という思いが少しはあったのではないでしょうか。
自分が前に進む為、彼は声をかけたのでしょう。
エレーナの脚色とも考えられる
ディランとロドリゴのシーンは、エレーナの朗読の一部です。
通常の流れを考えるとロドリゴがエレーナに声をかける理由は、少々薄いようにも感じます。
もしかしたらエレーナが二人の出会いを演出するために、不要な部分を省いているのかもしれません。
現実の二人の馴れ初めは、もっと不器用なものだったとも考察できるのです。
「信用できない語り手」を登場させた監督の意思は、観る者によって解釈が異なるのではないでしょうか。
「パルプ・フィクション」へのオマージュ
本作はタランティーノ 監督の「パルプ・フィクション」のオマージュを感じさせるシーンが隠れています。
映画序盤のハロウィンパーティではオスカー・アイザック演じるウィル達が、ビンセントとミアに変装していました。
また冒頭部分にサミュエル・L・ジャクソンのナレーションが入るのも、オマージュといえるでしょう。
更に劇中ではボブ・ディランの曲を主軸に使用し、アビーのお気に入りのアルバムとした位置づけでした。
アビーもボブ・ディランについて熱く語っていましたが、タランティーノ監督の映画には歌手について語るのが定番となっています。
人生の交差が面白い映画
『ライフ・イットセルフ 未来に続く物語』は、人生のすれ違いや交差地点が巧みに演出されています。
他人同士のつながり、影響力など考えさせられるシーンが詰まっているのではないでしょうか。
人生は自分だけのものではなく、家族として続いていくものだという大きなメッセージを投げかけてくれました。
そして人生を悲観せずに進めば、幸せになれる…。
エレーナの言葉にフォーカスを当てながら、再度観直して観るのもいいかもしれません。