二度目のスカートめくりの際、直前にポップスを歌っていた根岸でした。
しかし、その直後にはDMCの十八番である『SATSUGAI』のBGMが流れ出しました。
それによって「根岸」」から「クラウザー」に引き戻されます。クラウザーの姿をしていても、「根岸」であることはできます。
つまりクラウザーのスイッチを入れてしまう一つの要因に、DMCのBGM(生演奏)があるのでしょう。
そうして女性蔑視のクラウザーが呼び戻され、相川と対峙してしまったのです。
もともとはポップスで「夢を与えたい」
「No music No dream」。これは根岸が大学時代から抱いていた、自分の理想とする生き方でした。
これをポップスで実現したいと思っていましたがうまくいかず、やりたくないデスメタルでは、なぜか飛ぶように売れてしまいます。
つまり根岸は、ポップスによって夢を与えたいと思ってきたのであり、DMCでそうしようとは思っていませんでした。
根岸はポップス好きなのです。そんなポップス好きが溢れたのが、DMCのライブでポップスを歌うシーンに表現されています。
No music No dream
この英語を解釈すると「音楽なしに夢は抱けない」です。それはポップスでもデスメタルでも、つまるところは音楽なので同じこと。
根岸はそれらを、帰省先の実家で感じ取ることができました(後述しています)。
そうしてタイマンライブに戻ってきましたが、やはり根岸はポップス好きであり、ポップス「でも」夢を与えたいと思っています。
ライブそのものはDMCとして、過去最高というほど盛り上がりを見せました。根岸にとっては「だからデスメタルはもう十分」。
次はポップスで夢を与えようと思って、場にそぐわないポップスを歌うのでした。
ポップスでも夢を与えられていた
DMCとして夢を与えてきたことを実家で悟らされますが、実は根岸自身ポップスでも夢を与えてきたことを知っています。
音楽ってね。世界中のだれかが夢を与えることができるんだよ。あたしの好きな人がそう言ってた。ノーミュージック、ノードリームって
引用:デトロイト・メタル・シティ/配給会社:東宝
こちらは遊園地で、相川がクラウザーに言ったセリフ。根岸は、相川の口から直接そう聞きました。
さらに、大学の後輩である佐治(テトラポット・メロン・ティのボーカル)も、根岸のポップスに夢を与えられています。
変な意味で、ポップスにも自信を持った根岸は、DMCのライブステージで「DMC」として成功したので、「次は」とポップスを歌うのでした。
「ハイ」な状態が一周回る
二重人格と思えるほどギャップの激しい「根岸」と「クラウザー」。
基本的には「根岸」で生活しているのですが、どうしてもデスメタルが聞こえるとクラウザーになってしまいます。
その状況を考えたとき、根岸がポップスを歌うのは「一周回った」とも考えられるのです。
「ハイ」だとクラウザー。限界を超えると…
「ハイ」な状態に入ると、クラウザー化してしまい理性を保てなくなる根岸。
一方ポップスを歌う直前の根岸にはこのような「ハイ(気持ちが上がる)」状況が出そろっています。
- 夢を与えられると実感し自信を持てた
- ブラックメタルの帝王ジャック・イル・ダークに勝ち、ギターを譲り受ける
- 今まで向き合ってきていなかったファンの声援を受ける
このような状況は、これまでのDMCの中でもありませんでした。つまり、「ハイ」の限界を超えてしまったということ。
その結果一周回って、クラウザーから根岸に戻ってしまい、ポップスを歌う気持ちになったのです。
盛大な勘違い
最後に根岸が盛大な勘違いをします。
それは、先述したような「ハイ」になる要素を「自分(根岸)の力でつかみ取った」と思う所です。