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【パプリカ】DCミニを盗んだ犯人の目的を考察!夢と現実を曖昧にすることで何をしようとしていた?起きている間も見る夢とは

SF パプリカ

出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B004UY1F42/?tag=cinema-notes-22

2006年公開のアニメ映画『パプリカ』。

筒井康隆の原作小説を、『千年女優』や『東京ゴッドファーザーズ』でも有名な今敏監督が手掛けています。

色彩鮮やかなイメージの世界を、サイコセラピストのパプリカ(千葉敦子)が飛び回るシーンは圧巻。

ここでは、作中で取り上げられている夢というテーマに注目して作品を考察します。

パプリカが夢を通して伝えてくれるメッセージとはなんだったのでしょうか。

DCミニを盗んだ犯人 その目的と共通点

Paprika-2 Discs [Import allemand]

他人と夢を共有できる装置、DCミニ。その盗難に関わっていた犯人は3人いました。

それぞれの目的を確認すると、共通するものが見えてきます。

まず研究所の後輩、氷室。彼は同性愛者でした。それが原因かはわかりませんが、誰かと深い繋がりを得られていたようには見えません。

敦子の同僚の小山内は、天才の時田と秀才の敦子の間で苦悩しています。彼が求めていたのはそこに並ぶための才能と、そして敦子でした。

そして乾理事長。彼はその不自由な体からの解放を求めていました。

ここにあるのは、それぞれが得られないものを得ようとしていること。それも、努力やお金では解決が難しいものを、です。

叶わないことを、なんとか現実にしようと「夢」見ているのが、彼らの共通点であることがわかります。

真犯人の目的 夢と現実を曖昧に

では更に、事件の真犯人だった乾理事長の目的を深掘りしてみます。

不自由からの解放

Paprika-2 Discs [Import allemand]

物語の終盤で夢と現実が曖昧になり、新たな身体を手に入れたことで勝ち誇る乾。

私は生まれ変わったのだ
私は立っている 私の足で立っている

引用:パプリカ/配給会社:ソニー・ピクチャーズ・クラシックス

彼が車いす生活で、不自由な生活を送っていたことは窺えます。

夢を支配しようとしたのは、不自由な身体から解放されるため。それを可能にするのがDCミニだったのです。

自由の追求と、示唆された破滅

Paprika-2 Discs [Import allemand]

彼が「夢」について語るセリフに、象徴的なものがありました。

唯一残された人間的なるものの隠れ家 それが夢だ

引用:パプリカ/配給会社:ソニー・ピクチャーズ・クラシックス

乾にとって現実とは、不自由な身体に縛られた場所だったのでしょう。

逆に言えば、夢とは不自由さから解放される場所、自由の象徴だったことがわかります。

ですが睡眠中に見る「夢」では現実的な問題は解決しません。そのために、乾は夢の中で望みを叶え、それを現実にしてしまおうとしたのです。

しかし、自分の欲望のためなら他者も顧みないその姿は、完全に「夢」に溺れてしまっているとも表現できるでしょう。

これは先に述べた氷室や小山内も同様です。夢に溺れることは、身の破滅をも示唆しています。

パプリカが飲み込んだもの

乾の企みはパプリカによって阻止されます。あまりにもあっさりしたその結末を考察します。

秩序が現実を取り戻す理由

パプリカ デラックス・ボックス(2枚組) [DVD]

今こそ完全なる秩序のために
全ての欠如を回復するのだ

引用:パプリカ/配給会社:ソニー・ピクチャーズ・クラシックス

乾のこのセリフに、「男には女」と閃くパプリカ。明言はされていませんが、ここには他の対比も見出せます。