長い時間を生きたことにより得た能力はもはや誰にも太刀打ちできなかったのかもしれません。
全てが彼女の思い通りに動くかと思いきや、バーナバスは家族と共に彼女を屠ることに成功します。
では、万能の魔女である彼女が負けた要因はいったいどこにあったのでしょうか。
家族の絆
バーナバスは子孫たちを新たな家族として扱い、エリザベスたちもまた彼を家族の一員として迎え入れました。
閉鎖的な社会で暮らしていた面々はバーナバスの登場により環境を大きく変えていきます。
バーナバスはデヴィッドをないがしろにする父ロジャーを追い出したり、ホフマン博士を物理的に首にしながら真の家族を形成。
一時はバラバラだった家族をコリンズ家という絆で繋ぎ直した結果、アンジェリークに一家全員で立ち向かうことができたのです。
自分でまいた種
現代を生きるコリンズ家に力をもたらしたのはバーナバスの子孫を憎むアンジェリークです。
デヴィッドの母親を殺したのも、キャロリンを狼人間に変貌させたのも全てはアンジェリークの仕業。
シャンデリアに叩きつけられた衝撃波もデヴィッドの母親が生きていれば受けることは無かったでしょう。
ラストバトルにおけるアンジェリークの敗因は、コリンズ家に手を出しすぎたことです。
バーナバスに呪いをかけただけで満足していれば、アンジェリークが命を落とすことは無かったのかもしれません。
老いによる劣化
時間は残酷に肉体をむしばみます。万能の魔女であったアンジェリークもまた、老いという敵には勝てなかったのでしょう。
彼女の肉体は衝撃を受けるとまるで陶器のようにひび割れ、ポロポロと崩れていました。
このことから、彼女の肉体はとうに寿命を迎えていたことが考えられます。
時間と共に研ぎ澄まされたのは魔女としての力のみ。メッキで覆われた肉体はコリンズ家総出の攻撃に耐えうる丈夫さを持たなかったのです。
ヴィクトリアがジョゼットを名乗った意味とは
ヴァンパイアになったヴィクトリアがジョゼットと名乗ったことから、彼女はジョゼットの生まれ変わりだったことが推測できます。
もちろん、バーナバスに惚れ、彼に近づいたと感じたことから自身にそっくりなジョゼットを名乗った可能性も考えられます。
元々彼女はマギー・エヴァンスという人物であり、ヴィクトリア・ウィンターズという名も偽名。
別人になりたいという願望を抱えた彼女が、新たに歩むヴァンパイア人生に付けた名がジョゼットだったのかもしれません。
しかし、それでは彼女が生まれたときから傍にいた亡霊の意味が無くなってしまいます。
ヴィクトリアはジョゼットの生まれ変わりだからこそ、瓜二つの容姿でバーナバスの前に現れたのではないでしょうか。
転生した魂
ヴィクトリアの別人になりたいという願望は、小さな頃から「おかしな子」というレッテルを貼られたこと抱くようになりました。
幼い頃からジョゼットの亡霊が傍にいた彼女は、ジョゼットを相手にすることで親からも奇異な目で見られていたのです。
ジョゼットがヴィクトリアにのみ見え、常に傍に居たのは彼女がジョゼットの生まれ変わりだったからでしょう。