何より不良文化の王道といえば、何よりも正樹と厚成が命を賭けて守るべき人と戦う敵の存在です。
厚成の恋人・アキは厚成のみならず福岡連合が仲間達の力と命を賭けて守るべきヒロインの象徴でした。
そしてまた『蝉魔丸』というライバルとの全面戦争が否応なしに盛り上がります。
正樹と厚成が強くなって来れたのは何よりも憎むべき敵の存在があったからこそです。
「ポケモン」に喩えるならレベル5のポッポだけを延々と倒していても成長は見込めません。
様々なトレーナー・ジムリーダー・四天王・ライバルと戦ってこそ真に強いトレーナーになれます。
こうした様々な人との出会いと体験が彼らを福岡統一まで導いてくれたのです。
死んだ真木から受け継いだ信念
大八に弟子入りしてついていった正樹と厚成はその前に真木という最初の師匠に出会っています。
真木は残念ながら恋人を襲った相手グループを半殺しにした帰り道に交通事故で帰らぬ人となりました。
しかしその魂は正樹と厚成が継承していますが、どのような信念をここで得たのでしょうか?
力ではなく心
まず正樹と厚成の魂に一番強く響いたのは真木が残した次の言葉でした。
喧嘩は自分の腕っ節を見せ付けるためにするもんじゃなか。自分の信念の主張が正しくて強いのを見せ付ける時にするもんたい
引用:デメキン/配給会社:AMGエンタテインメント
そう、真木が説いたのはあくまでも力ではなく「信念」即ち「心」だったのです。
彼が地元・笹熊の暴走族『悪死魔』の10代目総長として居られたのもこれが理由でしょう。
力なき正義は無力でしかありませんが、正義なき力は無軌道な暴力でしかありません。
この教えが生きているからこそ正樹と厚成はその後大きく道を踏み外すことがなかったのです。
亜鳳の結成
二つ目に死んだ彼の影響が正樹と厚成をして暴走族結成禁止を破り亜鳳の結成へと繋がりました。
正樹は高校無期限停学処分、厚成は中卒でラーメン屋として働いていた為レールからは外れています。
でもそこで腐ることなく一度始めた不良の道を最後まで貫く精神力を与えてくれていたのです。
真木の教えと死がなかったら、中卒の二人はもしかしたらどこかで挫折していたかも知れません。
どんなに苦しく悲しい状況でもそこから逃げない精神力が亜鳳の結成へ繋がりました。
大切な人を守る
そして三つ目が後述するアキの妊娠で再現することになる、「大切な人を命がけで守る」精神です。
真木は交通事故で命は落したものの、恋人を襲った奴らには一切の容赦なく半殺しにしました。
たった一人でも大切な人を守るために力を振るうことこそ真木がもっとも大切にしていたものです。
本当に強い人は弱い者には決して暴力を振るわずどこまでも優しく気高い人であるとはよくいわれます。
真木は正にその理想の格好いい男を死ぬまで貫き通した人であり、彼の生き様こそ二人が受け継いだ信念でした。
アキの妊娠が各連合に与えた影響
そして物語終盤、クライマックスとしてアキの妊娠は各連合に大きな影響を与えることになりました。
彼氏の厚成は勿論のこと正樹率いる福岡連合をはじめ色んな連合を巻き込んだ大騒動へ発展します。
その物語のうねりを是非考察していきましょう。
真木の行動を再現した厚成と福岡連合
まず一つ目が仲間を傷つけられ、更にアキの妊娠を知った厚成が単身で蝉魔丸へ挑んだことです。