出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B00M15S2UM/?tag=cinema-notes-22
映画『それでもボクはやってない』は周防正行監督がどうしても描きたかった司法の現実です。
2007年8月に第80回アカデミー賞・外国語映画部門に日本代表作品としてエントリーされました。
同年5月にジュネーブで開催された国連拷問禁止委員会に合わせ現地で上映されています。
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/それでもボクはやってない
痴漢に間違えられた主人公は無実を訴え続けますがその声は届きません。
警察の取り調べや裁判所の姿勢などに腹立たしさを覚えた人も多いでしょうね。
刑事裁判で執行猶予付きの実刑判決を受けた金子鉄平はその場で控訴を宣言しそこで映画は終わっています。
鉄平やこの裁判のその後を考察してみましょう。
鉄平が犯人扱いされた理由は何だったのか、そして駅員が目撃者の話を無視した意図も探っていきます。
鉄平のその後を考察
金子鉄平は直ちに控訴手続きに入るであろうことはラストシーンのセリフから推測できます。
控訴審のハードルは上告よりは低いものの様々な障壁はあるようです。
彼のその後を考察してみましょう。
鉄平の戦いは続く
彼は無罪を勝ち取るまで戦い続けることを決めますが、それは彼が独身でフリーターだからできる決断です。
冤罪でも痴漢というレッテルを貼られ裁判までしたという事実に対する社会の風は冷たいでしょう。
アルバイトで食いつなぎながら母親や友人の助けも借りて戦う日々をおくるのです。
容赦ない世間の仕打ちに心が折れそうになった時、彼の脳裏に浮かぶのは室山裁判官や山田刑事の顔でしょう。
鉄平は控訴審で彼らを裁くつもりでいます。
この事件で彼にかかわった人たちが『ほんの少し嘘をついた』ためにここまで深刻な事態になりました。
おそらく金子鉄平は控訴がだめでも上告があると考えています。徹底的に争うつもりなのです。
母親や友人の支援
母親は息子の無実を信じていますから戦い続ける息子を支える決意です。
明確に示されませんが管理人に落花生を渡していることから母親は千葉県に住んでいると推測できます。
お金を節約するために鉄平と一緒に千葉に帰り土日ごとに上京して証人探しをする日々。
恐怖から満員電車に乗れなくなった息子を見て母親の決意はますます強くなります。
彼女は控訴審で有罪となった佐田の支援活動にも協力を惜しまず文字通り身を粉にして戦い続けるのです。
そんな母親の姿を見て友人の斎藤達雄や元カノの土井洋子、先輩の小倉繁も強力なバックアップを決意することでしょう。
その後の裁判を深読み
被告側の戦う意思など全く無意味のように淡々と事務的に進む控訴審。
弁護士の荒川や須藤は鉄平の無実を確信しています。
二人はできる限りの準備を進め当番弁護士だった浜田も参戦するのではないでしょうか。
弁護士のその後
荒川の誘いを一度は断った浜田弁護士ですが須藤の熱意に押され弁護団に参加します。