辛いことがあっても沖縄旅行の本を見れば頑張れたのかもしれません。
彼女にとって御守り代わりにもなっていたのではないでしょうか。
なぜ紬をホームに置き去りにした?
沖縄へ向かう2人は駅のホームで電車を待ちますが、居眠りを始めた紬の脚には複数の切り傷があり、そこから糸が出ていました。
驚きのまま糸を引っ張り出したミユリ。なぜ紬をホームに置き去りにしたまま帰ったのでしょうか。
人間じゃないと確信した
人間だったら傷口から糸など出ません。やはり紬はカイコだと確信したのではないでしょうか。
カイコのために学校をサボったり親に迷惑をかけたくないと思ったはずです。
今まで夢を見ていたことがバカバカしくなって、自分を騙していた紬に嫌気がさしたと考えられます。
いい加減に目を覚まそうと思い一人で立ち去ったのかもしれません。
理想の紬が崩れた
援助交際の写真を見た時点ですでに紬に対して疑惑の視線を向けていたのかもしれません。
脚の傷は紬自身がカッターか何かで切った自傷行為だと推測でき、彼女の弱さが表れています。
強くて自分の意思をしっかり持っている紬はミユリの憧れだったのに、予想外の弱さを見せられて幻滅したのでしょう。
好きだった紬は幻だったのです。ここにいる少女は他のクラスメイトと同じ。
大した価値はないのだと冷めたのではないでしょうか。
それと同時にこの妄想の世界から出なければと焦ったはずです。
今ここにいる紬は妄想の産物。だから傷口から糸が出るのだと思ったのでしょう。
ミユリは紬と離れて別々の世界へ進んでいく覚悟をしたからこそ、紬を置いて帰ったのだと考られます。
保護される紬が笑った意味
親友のミユリに置き去りにされたのに、意味深な笑いを見せる紬。なぜ彼女は怒らなかったのでしょう。
ミユリを一人前にできた
紬は出会った当初からミユリを広い世界へ連れ出そうと努力していました。
ずっと誰かの意見に従い、自分の意思を見せずにいたミユリ。
沖縄に向かうギリギリまで彼女は紬のいう通りにしていました。
ですがミユリは眠る紬を置いて帰ることで、初めて自分の考えで行動を起こしたのです。
これによりミユリは広い世界へ飛び出したと解釈できます。
つまりここで紬の役目は終了。目的を果たしたことによる笑顔が出たのではないでしょうか。
死による解放
沖縄旅行は紬が現状から逃げ出せる唯一のチャンスでした。
ですがその思惑が父親にバレてしまい、これまでよりもひどい暴行を受けることは間違いないでしょう。
紬にとってそれは死を意味することです。ではこの時の紬は死の恐怖に発狂して笑ったのでしょうか。
彼女はミユリを広い世界に解放し、沖縄旅行を実行に移しました。