エヴァの性格も飛行機に乗らないという行動を後押ししたと考えられます。
自分がやりたいことをやる
エヴァは自分のペースを崩そうとしない性格で、大好きなホーキンスをウィリーに否定されてもあまり気にしていないようです。
おそらく彼女は、自分が居心地のいい場所を知っているのでしょう。
周りに合わせるのではなく、自分の世界観を持っているのかもしれません。
ウィリーがプレゼントしたワンピースをあっさりゴミ箱へ捨ててしまったのも、彼女の世界観に合わなかったからです。
とはいえ、エヴァは決してウィリーが嫌いなわけではありません。
相手に好意を持ちながらも、自分のペースや好きなものは譲らないところがエヴァの個性であり魅力なのです。
そして、この性格が飛行機に乗らないという行動を後押ししたのではないでしょうか。
飛行場までいって飛行機に搭乗しないというのは、かなり大きな決断といえるでしょう。
エヴァの好きな曲は監督が好きな曲
劇中で、エヴァは好きな曲を大音量で流しながら歩くような風変わりな女性に描かれています。
彼女が作中で何度も聴いている曲は、アメリカの個性派アーティストであるスクリーミング・ジェイ・ホーキンスの「I Put a Spell on You」です。
この曲はジャームッシュ監督本人がホーキンスの熱烈なファンであることから採用されました。
またジャームッシュ監督は日本の名監督小津安二郎を尊敬しており、そのオマージュを競馬で登場する馬の名前に表現しています。
東京物語や晩春などは原節子主演の小津監督の代表作です。
真冬にワンピースをプレゼントした理由
ウィリーはなぜ真冬に夏物のワンピースをプレゼントしたのでしょう。
このワンピースはデッドパン喜劇ならではのアイテムといえるのではないでしょうか。
ウィリーの性格を表すアイテム
ウィリーがエヴァに夏物のワンピースをプレゼントした理由は、彼女への好意をはっきり示すためです。
通常であれば、洋服は彼女の好みを知った上でプレゼントしますが、ウィリーは自分の好みの服をプレゼントしています。
好みではないという彼女にワンピースを着せたり、エディ―に自慢したりする様子は、彼の自分本位な性格を表現しているのでしょう。
ウィリーの自由人たる性格をプレゼントが示しているようです。
女性への思いやりが足りない
ウィリーはワンピースをプレゼントした辺りから、少しずつエヴァに好意を持っているはずです。
しかし、コートを着るような寒い季節に夏物のワンピースをプレゼントするところに、女物を選び慣れていない部分が垣間見えます。
とにかく自分が気に入ったものをプレゼントして、満足したのでしょう。
エヴァが義理でワンピースを着てあげたのは、彼女の優しさを感じるシーンです。
ウィリーとエヴァの不思議な関係
劇中のウィリーとエヴァは育ってきた環境や好みが違い過ぎて会話がかみ合わない状態です。
しかしお互いの好きなものを辛口批評しながらも、激しく衝突することはほとんどなく、2人の関係は絶妙な線の上を辿っています。