これは後述する岡田の心情とも絡みますが、ユカは男性経験の豊富な人です。

経験人数が多く、岡田との初体験においても手慣れた感じでリードしていました。

だから単なる清純派の可愛い天使として描かれているわけではありません。

ですがそんな彼女が惹かれたのは岡田の内面にある初心さではないでしょうか。

恐らく岡田が中途半端に女性に慣れている人だったら彼女は魅力を感じなかったでしょう。

岡田が初心な男性だったからこそ彼女は彼に惚れ込んだのです。

岡田のユカへの思い

前半ではユカが岡田をリードしますが、一方で岡田のユカへの思いはどうだったのでしょうか?

彼の人となりや関係性も含めて逆の視点から考察していきます。

純情可憐

純情可憐

岡田のユカに対する思いを一言でいうならそれはもう純情可憐に尽きるのではないでしょうか。

彼は男性にもかかわらず本当に初心な乙女のようにユカに振り回されっぱなしです。

初体験においてもリードされていて、前半では基本あまり「男」を見せられません。

ですが、逆にいうとそれだけ単純一途でもあるということです。

このキャラは演じる濱田岳自身のコミカルで等身大な人柄が説得力を持たせているのでしょう。

彼でなければこの複雑なビル清掃のパートタイマー・岡田進のキャラは成立しませんでした。

若干の幻滅

幻滅 〔外国人社会学者が見た戦後日本70年〕

とはいえ、そんな岡田も決して単なる初心な童貞ではなく、若干の幻滅も描かれています。

後半のシーンでは上述したユカが男性経験豊富であることに引いてすらいました。

ここで彼は大人の恋愛が決して綺麗事だけで成り立っている訳ではないと知ったのです。

この辺りの心情の変化があるからこそ、本作がただのラブコメに終始していません。

ここで岡田のユカに対する気持ちは相殺されてフラットになっています。

そしてここから彼が一気に後半に向けて男として覚醒していくのです。

男性にはドライ

後半に向けて岡田は男前に成長しユカを守りますが、一方で男性には天然にドライな一面を見せます。

前半で気を遣っていた会社の先輩である安藤に対してはユカと付き合うことで裏切りました。

また後半では彼が高校時代にいじめられっ子だった森田を裏切り、いじめっ子に売り渡しています。

そう、初心な人に思われた岡田は反面男性に対しては凄くドライな一面を持っていたのです。

この辺りが単純に彼を不器用な良い人に終わらせていないリアルな面ではないでしょうか。

岡田も結局はユカ同様に汚れた一面を持った人だということが証明されました。

森田がユカに目をつける理由

そして後半、物語は一気に森田正一が動き始めたことでホラー一色となります。

そんな彼がユカに目をつけて狙った理由は一体何なのでしょうか?

強姦殺人への快楽

それはデートでもトキメキでもセックスでもない 「ないこと」にされてきた「顔見知りによる強姦」の実態

まず一つ目には彼はいわゆるサイコキラーとして強姦殺人への快楽を持った人でした。

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