だから決してユカ一人だけを狙ったのではなく、近隣の住民を殺し回っています。

かつての同級生である和草たちですらも容赦なく殺しているほどです。

その中でもユカは森田にとって最高の強姦殺人の快楽が得られる人だと思っていたのでしょう。

男性経験も豊富でしかも元同級生の彼女、こんなに美味しい女性は確かに居ません。

彼が襲おうと考えたとしても無理はないでしょう。

岡田への復讐

復讐の毒鼓 1 (ヒューコミックス)

二つ目にあったのが前半で示されていたように同級生の岡田に対する復讐心がありました。

前半で話していたように、岡田に対してどこまでも深い恨みを持ち続け、それを支えにしていたのです。

もし岡田が森田を裏切っていなければ今頃彼はこうなっていなかったでしょう。

そんな彼が自分だけのうのうと彼女を作り平和を享受している、その事実が許せませんでした。

挙句自分を裏切った上でそれをしているのですから心理的には同情の余地があります。

狂気と快楽の一体化

しかし、それが終盤になるともはやその狂気と快楽が一体化を果たし、どうでもよくなります。

強姦殺人をずっと続けていく内に岡田への復讐心より純粋な狂気が彼を支配したのでしょう。

だから岡田もユカももう終盤では森田の中で殺す対象にしかなっていません。

それは終盤の目が据わった顔と表情、そして岡田を人質に取る場面の全てが物語っています。

殺人の代償

殺人の代償 (扶桑社ミステリー)

ラストではそうした殺人の代償として森田は事故の挙句に記憶を喪失し無邪気な彼に戻りました。

ここは原作とは違った結末ですが、恐らくは森田剛のキャスティングで変えたのでしょう。

切ないのは岡田と森田の間で完全に気持ちや関係性にズレがあるということです。

森田はまた昔の親友に戻ったと思いながら、しかし岡田は殺人鬼だった彼の記憶まで全てを背負っています。

もう完全に捻れて戻らなくなった二人の末路の後味の悪さがここに見て取れるのではないでしょうか。

逆にいうとここまで描いて初めて岡田とユカの恋に説得力を持たせられたといえるのですが…。

まとめ

ヒメアノ~ル(1) (ヤングマガジンコミックス)

いかがでしたでしょうか?

本作は決して安いラブコメでも、そして単なるホラー殺人でもありません。

その両方を取って平和な日常が一気に狂気の非日常へ変わる様を違和感なく両立させた作品です。

ある意味では岡田とユカが二人の男を裏切って恋をした代償ともいえます。

何かを得るためには何かを捨てないといけないというメッセージが見えるようです。

しかし、本作の場合得るものの為に捨てて失った物が大きすぎました。

だからこそあの衝撃のラストが重苦しくのしかかる、そんな名作ではないでしょうか。

サービス 月額料金 配信本数 特徴 詳細
hulu 1,026円(税込) 10万本以上 テレビアニメまで見放題 詳細
U-NEXT 2,189円(税込) 22万本以上 様々なジャンルが揃う 詳細
abemaプレミアム 960円(税込) 5,000本以上 オリジナルバラエティ番組が人気 詳細
NETFLIX 880円(税込) 非公開 オリジナル作品の質&量が魅力 詳細
prime video 880円(税込)/月
4,900円(税込)/年
1万本以上 コスパ抜群のVODサービス 詳細