だからこそガンバたちにとってはより強く彼の分まで生きていかなければならないという思いが強まったのでしょう。
色んな海が見たい
とはいえ、上2つはあくまでも物語の中で生じた後付けのものであり、あくまでも副次的要素です。
ガンバたち5人の新たな冒険、それは単純に「色んな海が見たい」というものではないでしょうか。
これは冒頭にその答えが示されており、そもそもガンバとマンプクはワインの海のマークを見て冒険を志しました。
残りの3人の仲間たちや潮路・忠太など船乗りのネズミたちは冒険の過程でついてきたに過ぎません。
彼らを動かすのは正義感よりも純粋なわくわくする好奇心であり、そこにガンバたちの魅力があります。
ガンバの登場が戦いに与えた影響
好奇心から冒険をはじめたガンバとマンプクは仲間と共に協力してノロイたちイタチ軍団と戦うことになります。
彼の登場が果たしてこの戦いにどのような影響を与えたのか、考察していきましょう。
ヨイショとガンバの友情
まず大きいのはガンバが登場したことでヨイショと対決し、2人の間に友情が芽生えたことです。
体格差が大きくガンバは苦戦するものの、それでも持ち前の勇敢さを生かして全くひるまずに戦い続けます。
他の街ネズミたちが誰もヨイショに逆らえなかったのをガンバが見事に打ち崩して、関係性に変化が起きたのです。
2人の間に友情が芽生えただけではなく、街ネズミと船乗りネズミが打ち解けるきっかけになりました。
即ちガンバはネズミたちの架け橋となり、それがノロイたちイタチ軍団へ立ち向かう最初のステップになったのです。
7人チームの結成
2つ目にヨイショが恐れたノロイに全く臆さないガンバの元にマンプク・ヨイショをはじめ6人の仲間が集まりました。
そう、ここはもういうまでもなく映画『七人の侍』のオマージュであり、非常に気持ちのいい王道の展開です。
特に頭脳面や知略の天才であるガクシャやアウトローのイカサマの存在はチームにとっていいアクセントになりました。
彼ら7人の結束力がなければネズミ達はイタチ軍団と決死の覚悟で戦うという選択をしなかったでしょう。
正にここにこそ戦隊シリーズにも見られる集団ヒーローのカタルシスが詰め込まれています。
潮路を動かした
そして一番の影響は最後のノロイとの戦いにおいて潮路を動かしたことではないでしょうか。
最後の戦いでノロイには勝利したものの海に沈んだガンバを最後の最後で死の淵から救った立役者は彼女です。
潮路の勇敢な救出がなければ、ガンバはもしかしたら海に沈んだままボーボと同じ末路を辿っていたでしょう。
彼女をただのお飾りにせず、最後にガンバのヒロインとして一矢報いる活躍を見せたのは実にお見事でした。
だからこそラストシーンのお別れでの「ありがとう」が凄く渋く格好良く引き立つのです。
ノロイとの対決の決意
上記したように、ガンバが登場したことでそれまでノロイを恐れていたネズミたちも戦う決意を固めます。
ガンバを中心にしてノロイとの対決の決意をここでは考察していきましょう。
生き延びる
まずネズミ達の中にあったのは「生き延びる」ことであり、これがまず75年のアニメ版との最大の違いです。