出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B07HSLN2D2/?tag=cinema-notes-22
アンドレイ・ズビャギンツェフ監督は「ネグレクト」を題材に製作したロシアの映画、『ラブレス』。
社会問題を美しい映像を交え、淡々と描いた本作は世界でも高い評価を獲得しています。
第70回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で上映され、審査員賞を獲得した。
引用https://ja.wikipedia.org/wiki/ラブレス
家族、夫婦、そして親子とは何なのか。観た方それぞれにいろんな感想や考えが浮かんだことでしょう。
ここではネタバレをしながらアレクセイが行方不明になった理由やラストシーンの意味について考察していきます。
アレクセイが行方不明になった理由
12歳の少年アレクセイががある朝、失踪するところから大きく物語は動き出します。
ではなぜアレクセイは行方不明になったのでしょうか?
自分が邪魔ものであると感じたため
アレクセイをどちらが引き取るか、両親が口論をしているのをアレクセイは聞いてしまいます。
さらに母親であるジェーニャも父親のボリスもそれぞれパートナーがおり、新しい生活にシフトしようとしていました。
よって自分自身の存在が両親の新生活の邪魔になっていると考えたのではないでしょうか。
自分がいなくなればすべてが丸く収まるのではないかと考えたのかもしれません。
自分の存在を両親にアピールするため
ネグレクトとは、心理的虐待および身体的虐待の一種でもあり、「自らの実子への無視」「特に自立性や自救能力が低く、幼児や低年齢児童の養育を著しく怠ること」を指す場合が多い。
引用https://ja.wikipedia.org/wiki/ネグレクト
両親はそれぞれのパートナーの家とを行き来しており、2人とも家に帰らないシーンもあります。
また捜索隊にアレクセイの特徴や趣味を聞かれても息子に無関心なため、答えることができませんでした。
よってアレクセイはネグレクトを受けていると考えて間違いないでしょう。
そこで、アレクセイは自分自身の存在をアピールし、関心を持ってもらいたかったとも考察できます。
実際両親は警察にも連絡し、アレクセイを捜索始めたことから目的は達成できたと考えてよいかもしれません。
愛してくれない両親から逃げるため
アレクセイは両親がどちらも自分を引き取りたがっていないことを知ってしまいました。
したがってどちらに引き取られても愛されることはないと悟ったため失踪したとも考えられます。
「愛されずに生活されるぐらいであれば、一人で生きてやる」と思ったのかもしれません。
友人との秘密基地である廃墟に上着があったというのはそこを拠点に1人で生きるという決意ともとれます。
もしくは誰かに保護されるほうがマシだと考え、児童養護施設などを目指していたのかもしれません。