出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B000E8N9W4/?tag=cinema-notes-22
映画『プリティー・ウーマン』はロイ・オービソンの主題歌が特に有名な作品ではないでしょうか。
1990年に公開され監督はゲイリー・マーシャル、主演はリチャード・ギアとジュリア・ロバーツです。
特にジュリア・ロバーツは本作をもってハリウッドのトップスターにのし上がり、以下を受賞しました。
ロバーツは、この作品でゴールデングローブ賞 主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)を受賞した。
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/プリティ・ウーマン
実業家エドワード・ルイスと娼婦ビビアン・ワードのシンデレラストーリーとして物語は展開されます。
本稿ではエドワードが確信した理由を中心にネタバレ込みで考察していきましょう。
またヴィヴィアンが別れようとした理由やオペラに感動した真意にも迫っていきます。
ビジネスを通した「ロマン」の追求
本作は絶大な人気を誇るラブストーリーの金字塔ですが、理由の1つにビジネスを通した「ロマン」の追求があります。
ここが大事なポイントで、本作のストーリー・世界観は単なる架空のお伽話ではないということです。
単に偶然素敵な人と出会えてのハッピーエンドではなく、ビジネスを通して1組の男女が成長していきます。
エドワードは相当なやり手のビジネスパーソンですが、人間味がどこか希薄で人間関係に問題がありました。
対してヴィヴィアンは人間的魅力がありながら環境のせいで底辺を這いずってばかりで跳ねきれません。
そんな2人がビジネスを通してぐんぐんとロマンへ、夢の高みへと駆け上っていきます。
この双方向性を重視した作劇のあり方をベースに本題について考察していきましょう。
エドワードが確信した理由
エドワードは終盤のホテルから空港へ向かうタクシーの中でヴィヴィアンが必要だと確信しました。
そのきっかけはタクシーの運転手がヴィヴィアンをアパートまで送ったものだと聞いたことです。
では何故彼がその情報でヴィヴィアンの必要性を確信したのかを考察していきましょう。
洞察力に優れているから
まずエドワードにはないヴィヴィアンの特質の1つに優れた洞察力があります。
それが見て取れるのはヴィヴィアンがエドワードに対してして見せたビジネススタイルへの指摘です。
あなたは何も生産しないの?
引用:プリティー・ウーマン/配給会社:ブエナ・ビスタ・ピクチャーズ
そう、エドワードの仕事は相手から買収し奪うことしか考えない冷酷なビジネススタイルでした。
この正鵠を射る彼女の洞察力にエドワードは上手く反論出来ず、ふと立ち止まって考えます。
そして「買収」ではなく「手助け」というスタイルに変えてから新しいビジネスチャンスが来たのです。
このように、エドワードのビジネスの価値観に大きな影響を与える深く鋭い洞察力は大いに役立つでしょう。
そんなヴィヴィアンの可能性に投資しようとエドワードは決めたのではないでしょうか。
復讐鬼から王子様へ
2つ目にヴィヴィアンの洞察力の鋭さによってエドワードは復讐鬼から高貴な王子様へと変われたからです。
彼がこのような奪うビジネススタイルを展開し始めたのは母を蔑ろにした父への復讐からでした。
つまりエドワードのビジネススタイルは母の愛情と父への復讐が一体化したものだといえます。
それがヴィヴィアンと出会ったことで母のような優しい愛に溢れたビジネスへと切り替わりました。
知らず知らずの内にヴィヴィアンの存在はエドワードをそのロマンの高みへ押し上げたのです。
彼女が居なければエドワードはここまで上り詰めることは不可能だったと推測されます。
思考の枠を外すこと
即ちヴィヴィアンを通してエドワードが学んだことは思考の枠を外すことの大切さでした。
ヴィヴィアンはたとえ娼婦に落ちたとしても、心を売り渡したことは1度もありません。