好みの基準が「美人」か「ブス」かなだけで、久世が面食いであることに違いはありません。

こういう風に「見た目でしか判断して貰えない」ことも理由として挙げられます。

価値観の押しつけ

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上2つを更に突き詰めると、結局は久世が香澄に自身の価値観を押しつけているだけなのです。

物語全体を通して久世は香澄という女性の性格や人間性を見ているのではないことが一貫しています。

ブスの連呼で傷ついた後ろ姿を見ても「後ろ姿までブス」とか平気で言ってしまう無神経な男です。

そういう人にプロポーズされ一緒になったとしても幸せになれないどころか不幸になるでしょう。

そのことが分かったからこそ、香澄は久世からのプロポーズを断って結婚しようとしないのです。

朝子のビンタに込められた意味

BINTA

物語前半では下河辺が朝子という同伴者にプロポーズする場面があります。

彼は一生懸命プロポーズしたにもかかわらず何故かビンタされてしまうのです。

ここではその意味について分析していきましょう。

好意の裏返し

好意

このビンタは決して朝子が下河辺を嫌っている訳ではないことが後に判明します。

事情を聞いた香澄が2人を一緒に食事させる作戦で上手く距離を縮めてプロポーズも成功しました。

ということは朝子の下河辺に対するビンタは好意の裏返しだったのではないでしょうか。

いわゆるツンデレで、そのようにグイグイ来られるのが初めてだったと推測されます。

その心の壁さえ取っ払うことが出来れば距離感を縮めるのには問題ありません。

打算への怒り

2つ目にブライダルフェアを利用する下河辺の打算への怒りもあったのではないでしょうか。

それまで下河辺は朝子にプロポーズをするも素っ気なく断られるという流れがありました。

だからこそブライダルフェアという逃げられない状況をチャンスにしようとしたのです。

しかし、それは朝子にとっては虎の威を借る狐のような卑劣な打算に映ったのでしょう。

そんな下河辺の打算に怒ったと考えればこのビンタにも一定の説得力があります。

自己肯定感の低さ

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そして3つ目に朝子がビンタした背景にあったのは容姿へのコンプレックスでした。

これは即ち朝子の自己肯定感が低かったことを意味するのではないでしょうか。

女性の自己肯定感の基準の1つとして容姿に自信を持てるかが挙げられます。

下河辺と食事し、彼が容姿ではなく中身の人格を見てくれたことに気付いたのです。

だからその自己肯定感が高まっていく為の伏線であったともいえます。

久世の正直な台詞の真意

正直

終盤のみならず、本作は久世の正直な台詞がとにかく目立ちます。

「ドブス」「絶滅危ブス」など一貫して歯に衣着せぬ物言いばかりです。

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