注目キーワード
  1. 映画
  2. シネマ
  3. 洋画
  4. 邦画

【シザーハンズ(ネタバレ)】人造人間に込めた監督の思いを徹底解説!映像の色の秘密は?雪の意味やエドワードのその後も考察!

出典:https://www.amazon.co.jp/dp/B07CNHDRPQ/cinema-notes-22

ジョニー・デップの代表作「シザーハンズ」は、ティム・バートンとの初タッグ作品です。

人造人間というファンタジーな世界に、人間の持つ醜さを反映した作品になりました。

純粋なエドワードにかさねた監督の思いとは一体どんなものだったのでしょう。

劇中に降る「雪」や「色彩」にはどんな秘密があるのか細かく解説していきます。

そして気になるエドワードのその後も考察してみましょう。

人造人間エドワードは監督そのもの

ティム・バートン 鬼才と呼ばれる映画監督の名作と奇妙な物語

ティム・バートン監督は、自身の経験を映画の中に取り入れることで有名です。

本作に登場するエドワードは、そんな監督そのものといえるでしょう。

監督自身の経験が反映されている

ティム・バートン監督の生い立ちを見てみると下記のような記載がありました。

奇行を繰り返す問題児であった。

無口で人づきあいが苦手で、同僚たちからは口がきけないとしばらく思われていた。

引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/ティム・バートン

監督は、まるで劇中のエドワードそのものです。

更に、エドワードが自分の城に引きこもっていたような出来事もありました。

クローゼットの中に座り込んで出て来なくなった

引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/ティム・バートン

監督の当時の思いが映画の中に反映されているのは間違いないでしょう。

また、家庭環境も良い方ではなく父親との幸せな思い出はないようです。

エドワードは人造人間として描かれていますが、監督の過去の姿といえるでしょう。

ストーリー全体が、過去の思い出話になっているのもその為です。

監督はアスペルガー症候群

監督と交際していた女優のヘレナ・ボナム=カーターが、彼はアスペルガー症候群のようだと語っています。

ヘレナの母親は心理療法士なので、彼女の発言には信憑性があるのではないでしょうか。

監督自身が病気を把握していたかは不明です。

しかし、過去の自分を描くことが出来たのは、監督が過去を受け入れ客観視出来ているからといえます。

人造人間が象徴するもの

ティム・バートンの映画ビートルファンアートシザーハンズシルクのポスター24x36インチ [並行輸入品]

本作品の最大のメッセージは個性を受け入れることが大切、ということです。

人造人間は「普通」じゃない存在

普通とは、大多数の人間の習性です。

そして人造人間は普通とは違った存在の代表で描かれています。

本作品は、自分達とは違う存在をどう受け入れるかがテーマです。

自分達と異なる存在は、劇中で観られるように恐れや興味そして憎しみの対象となります。

キム以外は誰もエドワードを受け入れることが出来ませんでした。

ペグですら、エドワードに対等な目を向けていなかったのではないでしょうか。

彼女が向けていたのは哀れみの視線です。

そして監督自身も他者とは異なる人物で、それはアスペルガー症候群という個性でもあります。

もしかしたら監督もエドワードと同じような扱いを受けたのかもしれません。

実際に「普通」の人間にとって、個性を受け入れることは難しいことです。

可哀そうな存在ではない

人造人間の描かれ方は、世間の視線から見た彼となっています。

無知で騙されやすく、普通の生活が送れない……。

一見すると可哀そうな存在ですが、可哀そうなのは彼を取り巻く人々です。

自分の欲を抑えきれず、周りの意見に流されるその姿はとても滑稽です。

確かにエドワードは社会に馴染めません。しかしそれは決して不幸なことではありません。

彼には自分が居心地のいい城があります。

劇中ではその安らぎの場所から、無理矢理外へ引っ張り出されたのです。

城にいるのは可哀そうだからと街へ連れていく、それはペグのエゴだったのではないでしょうか。

面白おかしく描かれていた近所の人々の姿は、監督が見てきた世間の姿なのでしょう。

世の中の偏見の目

劇中でエドワードは様々な人に話しかけられます。

彼がどのような好奇の目で見られているかが、絶妙に表現されているシーンです。

上記したようにペグにとっては、可哀そうな存在として映っています。

そして下記のように話しかけた老人もいました。

戦争で弾丸が当たって、このとおり義足をつけとる。人に身障者とは呼ばせるなよ。

引用:シザーハンズ/配給会社:20世紀フォックス

彼にとって人造人間は障害者だったのでしょう。

時に個性的な人間は、様々な偏見の目にさらされてしまうのです。

本当のエドワードはどんな存在なのかを知る為には、偏見の目を捨てなければなりません。

劇中の色彩が物語るもの

 Edward Scissorhands 11’’ 壁時計( エドワードシザーハンズ)あなたの友人のための最高の贈り物。あなたの家のためのオリジナルデザイン

「シザーハンズ」の色彩は独特で、美しさも群を抜いています。

そしてカラフルな街並みとモノクロ世界が、不協和音を奏でているようです。

カラフルな色は俗世間を表している

劇中に登場する家々はどれもカラフルで、まるでテーマパークの街並みのようです。

この奇抜な色は、俗世間の意思であり欲望を表現しているのではないでしょうか。

人は皆、欲をもって生きています。

劇中に住む人々の欲は誇張されて描かれていますが、人間の本質を表に出しているのです。

エドワードのモノクロは無欲を表している

エドワードは、街の人々に比べ欲はありません。

今目の前で起きていることに対処して生きているだけです。

モノクロは欲のない色、それゆえに美しい色でもあります。

エドワードは生粋の「悪」であり生粋の「善」である

深読みをしてみると白は「善」を表す色であり、「黒」は悪を表す色です。

エドワードは、まさにニュートラルな存在といえるでしょう。

しかしそれは繊細な位置づけです。

関わる世界、関わる人々によって彼は善にも悪にも染まります。

これは人間の人生にもいえることで、環境によって子供は善にも悪にも染まっていくのです。

人に罪があるのではなく、社会に罪があるというメッセージも隠れているのではないでしょうか。

居心地の悪さ

エドワードは自分の世界からカラフルな街へ連れてこられますが、街は彼には不似合いでした。

それは色彩がはっきりと示しています。

黒が基調のエドワードは一人だけ異質な雰囲気を出すのです。

もしも自分がエドワードのような存在であの町へ入ったら、居心地の悪さは明白でしょう。

しかしエドワードは当初それに気が付かず、徐々に自分の居場所ではないことを感じていくのです。

監督は色彩で、エドワードの心境を上手く表現しています。

ちなみに映画で使用された家は実在のもので、撮影用に塗られた色もまだ残っているそうです。

ご興味のある人は、フロリダ州中部のタンパを一度訪れてみてはいかがでしょう。

雪は愛を表現している

ポスタ- A4 パターンB シザー・ハンズ 光沢プリント

物語のきっかけともなった「雪」ですが、この「雪」は何を表現しているのでしょう。

美しい映像が心に残った人も多いのではないでしょうか。

純粋なエドワードの心

雪は繊細で美しく、儚いものです。

まさにエドワードの心を表現しています。

雪を舞わせている時は、彼が唯一本当の自分でいられる瞬間なのかもしれません。

雪はどうして降るの?

引用:シザーハンズ/配給会社:20世紀フォックス

冒頭部分で孫はキムに問いかけます。答えのひとつはエドワードが純粋だからというものでしょうか。

雪で抱きしめている

Edward Scissorhands 17

エドワードの降らせた雪の中でキムが踊るシーンが印象的です。

彼は自分がキムを抱きしめられない代わりに、雪で彼女を抱きしめたのではないでしょうか。

劇中に降る雪はエドワードの愛なのです。

エドワードを受け入れなかった街ですが、毎年クリスマス時期に彼の愛に包まれていることになります。

エドワードのその後を考察

Edward Scissorhands 11’’ 壁時計( エドワードシザーハンズ)あなたの友人のための最高の贈り物。あなたの家のためのオリジナルデザイン

劇中ではエドワードがその後どう生きたのか描かれてはいません。

彼は丘の上の城で、どう生きているのでしょう。

エドワードは悪に染まろうとはしなかった

エドワードが城に戻ったのは、皆に追われたからです。

おそらくその後は、二度と街へは下りなかったのではないでしょうか。

街へ下りれば自分が「悪」になり、人々を傷つけてしまうことを知っていたのです。

事実、彼は劇中でジムを殺しています。

純粋過ぎるエドワードにとって街の人々は恐怖の対象だったことでしょう。

純粋さを失わず生きている

彼は毎年キムを想いながら雪を降らせており、時を経ても彼は純粋な愛を忘れてはいません。

美しくも悲しいストーリーです。

エドワードは自分が動かなくなるまで、毎年雪を降らせたのではないでしょうか。

キムは孫に下記のように語っています。

「なんでまた会いに行かないの?」

「私はこんなに老いたわ。彼には美しい私だけ覚えておいてほしい」

引用:シザーハンズ/配給会社:20世紀フォックス

エドワードが人間の寿命のことをどこまで理解していたかはわかりません。

しかし彼の彫刻が示すように、彼の中ではキムは美しい娘のままなのです。

彼は永遠に美しいキムを想い雪を降らせ続けたことでしょう。

エドワードにはモデルがいた

[コレクターズ・シネマブック]シザーハンズ(初回生産限定) [Blu-ray]

エドワードはティム・バートン監督そのものですが、人造人間としての姿にはモデルが存在します。

それは監督も常連の有名美容室「 WARREN TRICOMI NEWYORK」のオーナー美容師です。

彼の名はEdward Tricomi(エドワード=トリコミ)、世界中からはるばる彼の元へ通うセレブもいるのだとか。

彼の巧みなハサミ裁きが、映画のモデルになっており名前もそのまま使用されています。

人間の醜さを浮き彫りにした作品

シザーハンズ オリジナル・サウンドトラック

見た目は醜く滑稽なエドワードは、誰よりも純粋な心を持っていました。

反対に街に住む住人たちは、興味や欲にまみれた醜い心を持っています。

美しい恋愛を描きながらも、劇中には痛烈な風刺が埋め込まれているのです。

この映画は、自分と違う存在とどう向き合うべきなのかを考えさせられる作品ではないでしょうか。

見方を変えれば大多数という集団心理の恐ろしさも見えてきますね。